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ペイント大全ショウケース:人間の戦士 パート4(装備品の塗り込み:さまざまな革、毛布と小袋、松明、斧の柄)

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よくぞ来た。今回はショウケースのパート4。『マスターズ:上級モデリング伝説』で改造を加え、『ショウケース』パート1〜3でペイントしている人間の戦士…名付けてマーチン・ハウアーの続きを進めていこう。

前回でここまで進んだ。
今回でここまで進む!

今回取り上げるトピックは以下の通り。まさに革のオンパレードだね!:

  1. 背負鞄と各部ベルト(茶色の革)

  2. 毛布と小袋、松明の巻き布(木綿と麻)

  3. 松明と斧の柄(木材)

  4. 手袋と鞘(暗い赤茶色の革)

  5. 松明と毛布の固定ベルト、小袋の紐(焦茶色の革)

それじゃあ行ってみよう!



革のペイントについて

以前、「ブラックゴブリンの大族長」をショウケースで取り上げた時、革についての豆知識やペイント法について細かく語った。未読の人、あるいは読んでから時間が立っている人は、ぜひ合わせて読んでくれ。また、今までペイント大全のショウケースやステップアップガイドでは、ほとんど毎回、革製品に関するペイントを扱ってきたし、これは今後もそうだろう。現実世界がそうである(あるいは近年までそうであった)ように、革製品は、ファンタジー世界においても、種族や立場、地位に関わらず多用される素材なのだ。

革となる動物の皮には様々なものがある。牛、山羊、豚といった家畜の皮はもちろん、現実世界にいる動物たちに加え、ファンタジー世界ならではのモンスターの皮も、当然素材の中に入ってくるだろう。毛皮のように、体毛の色や風合いを活かすものは当然として、革となる素材も、やはり動物ごとに特色があるものだ。丈夫だが傷つきやすいもの、硬いが乾燥に弱く割れやすいもの、柔らかいが薄く破れやすいものなど。

革小物は最高だ。手入れをちゃんとすればどんどん味が出て、一生使える。

ペイントにおいては、革の素材だけでなく、それがどんな色で染められているかが使用色の決め手になる。革の多くは本来の色ではなく、様々な染料によって無数の色合いを持つからだ。以前は、黒や茶色系、あっても赤などが主だったが、近年は染色技術の発展により、緑や青なども天然革に使われるようになってきた。ファンタジー世界でも現実世界と同じか、それとはまた別の材料や手法によって、様々な色の革が存在するだろう。

とはいえ、まずは“記号的な意味での革色”の表現をしっかり身につけておくのがオススメだ。水色やピンク色の革は当然存在しうるけれど、一目見ただけで「あっこれは革製品だね」とわかる表現を身につけた後でいい。同じ革色でも、黒から赤茶、茶色に黄土色、ヌメ革ならばハチミツ色もある。基本の見せ方を知った上であれば、緑や紺色など、風変わりな革色に挑戦する時にも説得力が増すからね!

これは悪い例。ちゃんと油入れなきゃすぐにこうなる。ただ、こうしちゃう奴は大勢いるよな。ファンタジー世界の住人たちも、きっとそうだろう。

革のペイントでは、革自体の色味はもちろん、経年変化や摩耗に伴う変質や変色の表現も考えに入れたい。靴や財布、鞄あるいはブックカバーなどで、革製品を今でも愛用している人は多いだろう(俺もそうだ)。そして、革製品を長年使っているうち、キズがついたり、表面の色が明るく、ないしは暗く変わったり、ツヤが増したり、あるいはくすんできた経験があるはずだ。使い方や手入れの有無によってもその変化の仕方は変わるし、使用場所、ないしは保管場所の環境によっても全然違う。

これをペイントの世界で記号的に表現する場合、各部に多少の色ムラを作る、エッジ部分に沿ってかなり明るめのハイライトを入れる、あるいは細い線を描き入れてキズを表現するなどがある。今回も、その辺りの要素をしっかり抑えつつ、様々な色味と風合いの革を塗り比べて楽しむとしようぜ!



装備品のベースコート(フラットペイント)

まず最初に、装備品とそれ以外をしっかり塗り分けるところから始める。ここでのベースコートは、後で別のカラーで塗り替える部位もあるけど、今はまず、「装備品とそれ以外」をハッキリさせるのが目的だ。

まずは534【ダークレザー】をパレットにとり、少し水を加えてこねたら、ブーツ以外の装備品部分を区別なくフラットペイントしてくれ。背負い鞄、腰のベルトと鎧のヒンジ部分、背負い袋、剣とナイフの鞘、毛布、盾の固定ベルト、左手の手袋など。ちなみにブーツは今触らないでいいからね。

ダークレザーでのフラットペイントを終えたところ。

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