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ペイント大全マスターズ:鋼鉄(後編)   兜と剣

よくぞ来た。前編に引き続き、鋼鉄のペイントをテーマにお届けしよう。

後編は二部構成だ。まずは「兜」で、平滑な防具のペイント方法について紹介する。フラットペイントからのレイヤリング、グレイジングの他に、新テク「ステイニング(染め塗り)」「スティップリング(叩き塗り)」が登場するぜ。これらをマスターすれば、防具ならではの小さなカスレ傷のある、ズッシリと重い質感の兜がペイントできるようになるぜ。武器も板金鎧も同じように仕上げられるから、ぜひチャレンジしてほしい。

その次は「剣」。単に平滑なだけでなく、鋭さを持った刃のペイント方法を紹介。ペイントシーンを二分するTMM(True Metalic Metal/トゥルー・メタリック・メタル)NMM(Non Metalic Metal/ノン・メタリック・メタル)についての考察も交えつつ、フェザリングとグレイジングによるTMM(True Metalic Metal/トゥルー・メタリック・メタル)を紹介しよう。

それじゃあ、行ってみようか!


ヘルメット伝説


急所である頭を最優先に守ろうとするのは、至極自然な事だ。現実の歴史が証明しているように、ほとんど素っ裸だったスパルタのオッさんたちですら、体の防御はもっぱら盾に頼る一方、イカす兜を被っていた。

「防御力vs重量」「防御力vs視界&聴覚の確保」のバランス取りは、兜にとって永遠のテーマだ。試行錯誤の結果、現実の世界においても、時代ごとに凄まじい種類の兜が世界中で考案された。

金属製の兜は、斬撃には高い防御力を、突き刺しにはそれなりの防御力を誇ったが、メイスやウォーハンマーのような鈍器にはやはり弱かった。君が鋼鉄性の兜をかぶっていて、例えば…そうだな、鉄パイプで思い切り殴られたらどうなるか? 衝撃が頭蓋骨をカチ割るか脳をグラグラ揺らし、増幅された衝撃音は君の聴覚を奪い、あるいは鼓膜を破るであろう。その上、兜の重量に攻撃の衝撃が乗算され、首の骨がポッキリいくかもしれぬ。つまりそこが戦場ならば、もうオシマイ、という事である。怖いね!

なお、兜には、単純に防御だけでなく、自分の表情を隠す役目もあった。自己顕示、あるいは威嚇の役割を持つ場合もある。豪奢な飾りや威(おどし)をつけていたり、あるいは、恐ろしい顔が面に彫ってあったりするのは、そういう事さ。

てな訳で、兜のペイントに進むとしよう!


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