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ペイント大全マスターズ:弓に弦を張る

よくぞ来た。オールドスクール・ファンタジーミニチュアは、冒険者にしろモンスターにしろ、多くが「小袋」「鞘」「カバン」「副武装」「水袋」「ロープ」などと言った小物を身につけてるのが魅力の一つだけど、同時に武器防具の説得力やリアリズムにも注目したい。そして今回は、「弓」がテーマ。

ファンタジー世界において、弓は有効な遠隔攻撃手段であり、実に多くのミニチュアが弓を装備している。弓を持つミニチュアとひとくちに言っても、その持ちかたは色々だ。まず思いつくのが、手に持っている者たち。周りを警戒しつつ弓を携える者もいれば、射撃体勢の者もいる。今まさに矢を射るところ、あるいは射った直後など、それぞれの瞬間を切り取ってるね。また、主武器として剣や斧などを持っていても、背中を見ると弓矢を背負ってる奴なんかも多い。弓はサイコーだ。戦闘においては離れた場所から攻撃できる有利はもちろんだけど、野営中に狩猟をしたり、離れた所にいる仲間への矢文(メッセージを書いた羊皮紙などを矢につけて放つ)など、冒険の様々な場面で活躍してくれる。

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弓矢の扱いに秀でる冒険者といえば、やはりレンジャー(野伏)たちであろう。左の人間の野伏は標的を見据えつつ、矢をつがえようとしている瞬間だ。右の人間の女野伏は、右手に長剣、左手に短剣を携えているが、背中にちゃんと矢筒と長弓を背負っている。


今日は、この「弓」について、とても手軽かつ効果的なディティールアップ方法を紹介しよう。どうするか? 弦を張るのだ。それだけで、精密感と説得力がガゼン増す。実例を見てみよう。

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ノールの弓手。左が、弓に弦を張らずに仕上げた作例。右が、弓に弦を張って仕上げた作例だ。弦があるとグッと締まって見えないか?


ちなみに、弓を背負っている場合、弦は必ずしも張らなくていい。現実の世界でも、弦を付けっ放しにしておくと、弦が伸びて切れやすくなったり、弓の均衡が乱れて、弓力が弱くなるそうだ。加えて言えば、手に持っている時と比べて、弦の有無が目立たないってのもあるね。ただ、弦を張ったままの弓を背負っていたら、臨戦態勢か、あるいは戦闘中の状況を表せるだろう。難易度は上がるけど、慣れてきたら、背負った弓にガンバって弦を張るのも一興だ。

一方、手で弓を持っている場合や、構えているようなミニチュアならば、ぜひとも弦張りにチャレンジしてほしい。短い時間でミニチュアの出来栄えがかなり変わるよ。それじゃあ、始めようか!


弓弦びんびん物語

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