テイルズ・アット・ザ・ベイルファイア(13) 作品題材の選び方
テイルズ・アット・ザ・ベイルファイア
〜焚き火を眺めながら語ろう〜
ようこそ。このシリーズ記事では、ペイントコンテスト『ベイルファイア』に関連したホビーアドバイスを届けている。今回は、ベイルファイアで言うところの「本気ペイント」の話と、作品選びや環境の整え方について、俺なりのアドバイスを届けようと思う。
本気、と言うホビーチャレンジ
どんなアプローチで、どんな頻度で、どんなクオリティを目指してペイントするかは、人それぞれだ。俺自身、塗り込むこともあれば、数日で仕上げるミニチュアもある。その時の気分もあるし、そのミニチュアをどう活躍させたいかにもよる(ゲーム用と割り切って、数時間で複数ミニチュアをまとめ塗りで仕上げる場合もあると言うことだ)。
俺がペイント大全のために手がける作例は、俺自身がすでに理解し、ノウハウ化し、言語化できる状態にした配色とテクニックを紹介するために製作しているもの。つまり、俺自身にとって新しいチャレンジや、試験的な試みはペイント大全用の作例ではしていない。
じゃあ、俺はもう新しいテクニックやカラーパレットを試したり、試行錯誤の途上にある表現をやっていないのか? そんなことはない。普段プライベートで製作するミニチュアや模型、そして、ベイルファイアのジャッジ参考作品で、俺はいつも新たなテクな色使いを試し、新たな技法を編み出すべく試行錯誤を繰り返す。新しいことを試し続け、スキルを磨き、自分の中のバーを上げ続けることが上達につながると俺は思うし、それ自体が楽しいからね。
俺は普段、プライベートで作ったものはあまり発表しないけど、ベイルファイアのジャッジ参考作品は別だ。毎年必ず新しい試みを取り入れ、本気で塗り込み、完成させ、みんなに見てもらっている。
「本気」をテーマに据えるベイルファイアは、ジャッジとしてはもちろん、参考作品を手がけることも、俺自身にとって毎年の素晴らしいホビーチャレンジになっているんだ。
ベイルファイアはヘヴィメタルだ
ベイルファイアは、参加者が本気で仕上げた作品を持ち寄り、ジャッジが審査を行うペイントコンテストだ。投票型コンテストで起こりがちな多数派工作も、有名人バフも、常連有利も存在しえない。同時にハーミットインは独立性が非常に高い事業体であり、国内にある“業界”とやらに対して常にファックオフ精神で動いているため、しがらみも、忖度も、談合も、配慮も、タイアップ案件も存在しえない。作者のフォロワー数だの影響力だの年齢だのキャリアだの性別だのも関係ない。そうしたものが物を言うコンテストに出たいなら、他に行け。掃いて捨てるほどある。
ベイルファイアでの審査基準は二つ。ペイントスキルと作品に宿るドラマ性だ。それ以外の要素は審査に一切影響しない。全作品に、俺が全力でしたためたコメンタリーをつけ、全作品のコメンタリーが終わって初めて結果発表をする。君が昨年のトーチベアラーかトーチガードでなければ、今年のトーチベアラーかトーチガードになる可能性がある。
ここから先は
寄せられたサポートは、ブルボンのお菓子やFUJIYAケーキ、あるいはコーヒー豆の購入に使用され、記事の品質向上に劇的な効果をもたらしています。また、大きな金額のサポートは、ハーミットイン全体の事業運営や新企画への投資に活かされています。