見出し画像

デス・オア・グローリー ディープダイブ -9-武闘僧(モンク)とは

<前回のディープダイブ
次回のディープダイブ>

『 DEEP DIVE(深掘り)』と題されたこのシリーズ記事では、ゲームルールや世界観、あるいはTIPSなど、デス・オア・グローリーをより深く楽しむための様々な記事を不定期で連載してゆく。今回は、冒険者の称号から、「武闘僧」について解説しよう。

武闘僧(モンク)

画像1

東方武術を使いこなす旅の僧兵。それがモンクである。しなやかな身体を縦横無尽に操っては柔よく剛を制し、「氣」を用いた格闘術では剛よく柔を断つ。彼らはけして饒舌ではなく、中には戒律により言葉を話すことを禁じられている者もいるようだ。

ハルクウーべンにおいては、モンクという名前はもっぱら東方から伝播した宗教に帰依する僧、ないしは西方へと遍歴する東方人の僧たちのことを指す。ここで言う東方人とは、滅んで久しい翡翠の王朝、陳泰国の子孫たちだ。彼らは、「百穴の大地」へと変じた故国を捨ててデコン高地へ、あるいはケイポン国やアルアマン公国に逃げおおせた。多くの民は肌と目の色を除いてすぐに西方の暮らしに馴染んだが、彼の一部は古い信仰を捨てておらず、武術を通して己の心、技、体を鍛錬し、先祖がかつて至った高みに至ろうとする者たちもいる。

冒険者となって旅する武闘僧はかなり珍しい存在だが、東洋風の異国情緒ある服を着た冒険者で、肌が浅黒く、黒い髪と瞳をしていたら、まずその人物は武闘僧と考えてよい。彼らは長い棒や木製のフレイルをはじめ、かぎ爪やナギナタなど様々な武器を使う。さらには真の達人ともなると、板金鎧をまとう重装歩兵すら素手で斃すのだとか。とはいえこうした話はかなりの眉唾ものだ。どこかの吟遊詩人がついたホラか、尾ひれのついた噂にすぎないはずである。

武闘僧は謎めいた神々を信仰するが、西方遍歴の理由は布教ではないようだ。彼らが他人の信仰に関してとやかく言うことは極めて稀だし、彼の信ずる教えを西方人に語って聞かせることもまずない。彼らは、厳格な教えにしたがって一身を律し、果てしない修行を通じて己を高めることを、ひたむきに求めているのである。

西方を中心に広がる宗教の多くは、その宗派や神格に関わらず、信仰の流布と浸透に熱心なもの。だが東方由来の宗教はその真逆であり、その宗教者であるはずの武闘僧もまた、寡黙にして多くを語らない。たとえ尋ねられたとしても、「修練の道に終わりなし」だとか「肉体に宿る霊力こそが氣の精髄なり」に代表される、非常に掴み所のない話をするにとどまるだろう。

ここから先は

2,393字 / 4画像

寄せられたサポートは、ブルボンのお菓子やFUJIYAケーキ、あるいはコーヒー豆の購入に使用され、記事の品質向上に劇的な効果をもたらしています。また、大きな金額のサポートは、ハーミットイン全体の事業運営や新企画への投資に活かされています。