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新製品情報&アイテムレビュー(2019 3/26)

「なあ、スナッパ。おれはやっぱり、なっとくできねえんだ。かんがえたけど、やっぱ、へんだ。よう、スナッパよう。おきろよう」

ボルゴに耳元で話しかけられ、スナッパは心地よい眠りを諦めねばならなくなった。ドゥームゴブリン部族「悪どい大目玉」の用心棒として、洞穴の入口守備を引き受けてから一月。数日に一度の頻度で、兄は同じ話を蒸し返しているのだ。右手で目を擦りながら、スナッパは忌々しげに口を開いた。

「……ボルゴ兄さん、またかよ。何事かと起きてみりゃあ、またその話か……何度話し合えば気がすむんだい」

「ちがう。おれ、よく、かんがえたんだ。どうしてあいつらのために、おれたちが、いりぐちを、るすばんしねえとだめなんだよ。やっぱり、あいつらを、ぶっころして、きのこをうばおう。そっちのほうが、はやいよ」

「兄さん、もう一度言うぞ。洞窟の奥にはめずらしいキノコの畑があって、あいつらしか世話できない。俺たちは体が大きすぎて畑に入れないんだ。だから、あいつらを殺したら、俺も兄さんも大好きなキノコが食えなくなる。わかるかい? あいつらはキノコ農家で、ちいさい友達なんだ」

「うん。そうだった。あいつらは、ちいさいともだち。それを、わすれてたんだ。きのこは、うまいよなあ。ともだちの、きのこはよお」

「そうだよ兄さん。あいつらはうまいキノコを作ってる。それで俺たちは、あいつらと決めっこをした。俺たちがこの場所を守る。あいつらはキノコを山ほど持ってくる。だから、俺たちが殺すのはあいつらじゃなくて、この場所に来る、ずるくてこすい泥棒だ。おととい俺が呪文をかけて、兄さんが叩き殺した連中を覚えてるだろ? 人間は、みんな悪い泥棒なんだぜ」

「よし! どろぼうのわるいれんちゅうを、ころそう! なっとくだ! でも、ほんとうにスナッパは、おりこうさんだなあ。スナッパがおとうとで、おれは、はなが、かたいよ。これからも、はんぶんこでいような」

「そうだな兄さん。半分こでいよう。あと、そう言う時は、鼻が硬いじゃなくて、鼻が高いって言うんだ。まあ、いいか。さあ、スッキリしたところで、今日はもう寝たらどうだい、ボルゴ兄さん」

「うん。おやすみスナッパ。おまえがおとうとで、はなが、かゆいよ」

兄は嬉しそうに笑顔で頷くや、そのまま首を落とし、すぐにいびきをかき始めた。スナッパは、耳栓がわりの牙飾りを両耳に押し込むと、両腕を広げて大きく伸びをする。スナッパは、愚かな、しかし優しい兄のことが好きだったが、静かに過ごせる時間の方が、はるかに好きだった。

弟は、トロールの基準をはるかに超える頭脳の持ち主である。一方、荒事はあまり得意でない。かたや兄は、とりわけ愚鈍なトロールであるものの、戦いでの強さは並のトロールの比ではなかった。この兄弟の幸運は、互いをいつでも補い合えることだが、同じ体を共有するぶん、何かと不都合もある。だがそれもまた、宿命というものであろう。

双頭トロールのボルゴスナッパは草床に腰を下ろし、干しておいたキノコをひとつまみ右の口に放り込むと、馬車の残骸で作った棚から一冊の本を取り出した。冒険者どもの死体は兄があらかた食ってしまったが、彼らの持ち物は弟のものと決まっている。双頭トロールは伸びた爪の先で器用に表紙をめくり、興奮しながら文字をたどった。最近の写本のようだが、だいぶ古い言葉で書かれている。こいつは読みでがありそうだ。

やあ! 今日俺が紹介するのは、ナイトメア・ゲームズ(スペイン)からの新製品、トロールたちのさらなるバリエーション追加と、なかよしキノコセットへのキノコ追加だ。

デザイナーはケビン・アダムズディエゴ・セラーテの鉄板コンビ。リリースは今夜9時を予定してるぜ。早速レビューと行こう!

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