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ペイント大全ショウケース:クレリック パート5(靴とカバン/色味の違う革)

よくぞ来た。前回のショウケースでローブまで仕上がったクレリック。今回はミニチュアがまとう「革」部分をそれぞれ塗り分け、仕上げていく。

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彼はポケットのたくさんついた革カバンを背負い、その上側には寝袋を革ベルトで固定している。ローブコートの腰部分にベルトを巻いているけど、これはただローブを止めるためではなく、隠れた意味がある。チェインメイルは服のように着るわけだけど、鉄の鎖を組み合わせて作ってあるから、肩に凄まじい負荷をかけるんだ。腰にベルトを巻くことで、上半身にかかる負荷を減らすだけでなく、下半身のチェインメイルの重量を分散できる。機能的にちゃんと意味があるってことさ。

腰のベルトには、右側に革のポーチ、左側には細い革紐で、3個のビンをぶら下げているね。靴は足首までの短いブーツ。くるぶしの上側には、チェインメイルの裾をまとめる革ベルトも見えるね。こうした説得力溢れるディティールが3センチほどのミニチュアに詰まっているんだから、オドロキだよな。さすがはケビン・アダムズ作品といえる。

革のペイント

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以前、「ブラックゴブリンの大族長」をショウケースで取り上げた時、革についての豆知識やペイント法について細かく語った。未読の人、あるいは読んでから時間が立っている人は、ぜひ合わせて読んでくれ。今回のクレリックは、また別のカラーとペイント法を使って、風合いの違う仕上がりを目指してみよう。ブラックゴブリンの時の革に比べて、様々なテクを応用しながら、からめ手でペイントする。

実際、ここまで手をかけなくても、ブラックゴブリンの革で紹介したやり方で、十分に見栄えのするペイントはできる。実を言うと、俺が先日ベイルファイアで出した「オウガの用心棒」の革ベルトのペイント法リクエストを、複数の評議会メンバーから受け取ったんだ。なので今回は、いつもよりさらに発展的な方法を紹介しよう。使ったカラーは違うけど、あの革はこの方法でペイントしてる。その意味で、今回の革ペイントは、本気で取り組む入魂ペイントにオススメのアプローチだ。

今回のエントリーは「マスターズ」扱いにしようと思ったけど、流れがあるので、今回はそのままショウケースの一部としてお届けしよう(将来的に機会をみて、今はショウケースで散らばってるテクも改めてマスターズに再編集するつもりだ)。今回は特に発展的な内容になるから、ペイントを始めたばかりの人は「ウエー難しいよこれ」と思うかもしれない。今はまだ難易度が高いかもしれないけど、一度目を通してみてくれ。君がペイントを続けるうち、いつか必ず役に立つと思うぜ!


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