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種族解説:サハギン

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サハギンと呼ばれるこの種族は、ハルクウーベンを囲う海で栄える、謎と恐怖に満ちた水生人間アクアマンの一種だ。その性質は邪悪にして凶暴で、人間の言葉は話さない。

サハギンが暮らすのは、大陸東部から南部にかけての、比較的温暖な海域である。サハギンの生活圏はもっぱら海中で、それゆえハルクウーべンの陸上に住まう者たちとほとんど関わりはないが、無縁ではない。沿岸を離れすぎて沖に出た漁船や交易船は、時折サハギンによる襲撃に遭遇することになろう。一度や二度ではなく、船が沈むまで何度もだ。ゆえに船乗りたちは、サハギンの出る海域に近づくことを何よりも恐れる。

サハギンは縄張り意識が強く、侵入者を好まない。サハギンの縄張りを通過するのであれば、十分に武装した船乗りと、船底に鉄板を張り込んだ装甲船、そしてサハギンの標的を分散させるための船団が必須となるだろう。

ハルクウーべンは、ありとあらゆる危険に満ちている。水辺も例外ではない。ハルクウーべンに外洋航海の技術を持つ国家はほとんどないが、その理由のひとつに、サハギンをはじめとする凶悪な外敵が陸上にもまして多いことが挙げられるだろう。

天候を制御し、望む風を帆にはらませる魔法は今でも存在するし、絶え間ない戦乱の中で各国の造船技術も磨かれ、沿岸航海術については、相応の蓄積もある。

だが、諸国の政情はすこぶる不安定だ。オークやゴブリンといった敵対種族との闘争、モンスターや野人による襲撃、そして同じ人間の国家間でさえ、絶え間ない緊張と戦乱の中にある。人々が外洋にその眼を向けるのは、まだ当分先のことになろう。

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