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シーナリービースト:崖のある森の情景をつくろう 1(枠の工作、配置決め、樹木の幹、崖の工作)

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情景野獣シーナリー・ビースト

よくぞ来た。ペイント大全ではしばしば、ジオラマ的な情景要素を取り扱うことがある。既出の単体のプロジェクトとしては「樹木の自作」や「ダンジョンの自作」があるが、ミニチュアのベースデコレートもまた、広義の意味では情景づくりと言えるだろう。

『シーナリービースト』は、この情景づくりにスポットを当てたシリーズだ。君がジオラマを作るのであれ、ミニチュアゲームやRPG用の情景モデルを作るのであれ、撮影用の情景であれ、あるいはベースデコレートの表現幅を拡げるためであれ、きっと役に立つはずだ!

ミニチュアと情景要素には、実のところ密接な関係がある。その歴史やシーンの移り変わりなどについては、下のカウンシル記事を読んでくれ。

🔎関連エントリー(ハーミット・カウンシル)
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ベースデコレート、ジオラマ、そして情景モデルの歴史と変遷

はじめに:情景製作の心構え

情景を自作する時、まず決めておかねばならない大前提がある。それは「何を作るか」ではない。「何のために作るか」だ。ゲーム用か、展示・鑑賞・ジオラマ用か、あるいは撮影用か…その目的によって重視すべきことが変わってくる。

上図は、俺自身が長年の情景モデル製作の結果行き着いた「情景モデル四大要素」である。情景製作においては、これらの要素のどれを重視するかの心構えをハッキリ決めた上で製作することが大切だ。

頑丈さ:モデルの壊れにくさ。
精密さ:モデルの作り込み具合を意味する。
写実性:モデルのリアリティ、つまり本物っぽさ。
機能性:汎用性またはゲームルールとの適合性を意味する。

ヨコの要素である「頑丈さ」と「精密さ」は相反するので、かなりの経験とテクニック、適した材料と道具がなければ同時に実現できない。タテの要素である「写実性」と「機能性」も相反するものだ。例えば「頑丈かつ機能的」「精密で写実的」なものは作りやすいけど、「頑丈かつ精密」とか「機能性が高く写実的」なものは作るのが難しいってことね。

ナナメ要素の同居は、場合による。「頑丈で機能性も高い」もの、「写実的で精密な」ものは作りやすい。一方で、「頑丈で写実的」なもの、「精密で機能性も高い」ものは作りにくいと言えるだろう。

さらなる解説や用途ごとに重視すべき点などは、以下エントリーの冒頭で確認してね。

🔎関連エントリー
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シーナリービースト:ダンジョンをつくろう 1


撮影用情景:崖のある森の情景

今回俺が作るのは『森』の撮影用情景だ。ただ樹木が立ち並ぶだけでなく、崖も作ってより多彩な撮影に対応できるようにしてみよう。

今回俺が製作に使う材料や素材、作り方なんかは、「ゲーム用」と「観賞用」の中間地点に位置するものだ。頑丈さと精密さを同居させ、なおかつ機能性と写実性も等しく大切にする。いいとこ取りってわけだね!

製作では、先程あげた「写実性」「機能性」「精密さ」「頑丈さ」の要素をそれぞれ検討しつつ、「撮影用情景」としてのバランスを取っていくよ。今回は撮影ブースになるので、ただ森の草木を作るだけではなく、地面も含めた製作をおこなう。以前製作したダンジョンと同じく、ミニチュア撮影の背景として活用できる「舞台装置」になるわけだ。石造りの屋内であるダンジョンに加えて、防壁の外に広がるウィルダネスである森があれば、撮影できるシチュエーションも大きく広がることだろう!


ファンタジー世界においても、冒険者たちはしょっちゅう森の中をうろつき回ることになるだろう。森は建材、燃料、食物、放牧地、狩場、また清浄な水と空気の供給者であり、自然災害や外敵の侵略から人々を護る天然の防壁でもあるけど、そこは法の埒外らちがいに生きる人々や危険な動物たちの住処であり、魔女や異端者、魔物と精霊たちの家でもある。森は、ダンジョンと同じか、時にはそれ以上に危険な領域となりうるんだ。

今回俺が作る森は、様々なシーンで活用したいと考えている。そこで、樹木の種類としては広葉樹にする。熱帯雨林や針葉樹林はまた別の機会にやるとしよう。

今回の森は、ある時は「町外れの街道ぞい」に、ある時は「冒険者の野営地」に、またある時は、友好的か敵対的かを問わず「遭遇」が起こったりもするだろう。そこで、固有のドラマを語る要素(焚き火、柵や生垣、像や立て札、血のりなど)は情景内に入れ込まず、汎用的な情景としての森にチャレンジしてみよう。そのほうが撮影で便利だからね。

また、今回俺は、ベースの一部に低く小さな崖を配置することにした。景色に深みが加わるし、製作自体にも変化がついて楽しいからだ。自然地形としての崖があるということは、土壌を削る水が近くにある(または昔あった)、あるいは地殻変動による隆起や陥没、斜面における地滑りや崩落が考えられる。水のある風景はまた別の機会に譲るとして、今回は何らかの理由で岩盤が地表に露出した結果としての小さな崖を作ろう。撮影でも、いいアクセントになってくれるはずだ!

樹木の工作

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