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イッツアワンダフルワールド攻略ー確率の話

1.はじめに

今回はこのゲームに関わる確率について、具体的には「ゲームのある状況で、特定のカードがドラフトプールに現れる確率」について考えます。事前に特定の戦略の有用性を考察したり、ゲーム中に次の方針を立てる時に役に立つ…かも知れません。過去の記事(戦略やコツ第1ラウンドのピックについて)に比べて、このゲームに慣れた人向けの内容です。

2.基本の式

本稿の基礎になる確率の計算式の説明です。「"m"人戦ゲームの第"i"ラウンドで配られるカードプールの中に、山札の中にまだ"N"枚残っているカードがちょうど"n"枚ある確率」を、組み合わせの数"nCr"を使って以下の式で計算します。(もし間違っていたらこっそり教えて下さい)

P式

ここで、「自分のパックを含むプール」とは、あるラウンドで配られる「プレイ人数×7枚」のカードプールのことです。「自分のパックを含まないプール」とは、あるラウンドの開始後に自分のパックの7枚を見た後で、自分以外のプレイヤーに配られている「(プレイ人数-1)×7枚」のカードプールのことです。これ以降、「自分のパックを含むプール」の確率をP(m,i,N,n)、「自分のパックを含まないプール」の確率をP'(m,i,N,n)と表記します。

上の式は、例えば以下の様な使い方ができます。

4人戦で第1ラウンド開始時に自分を含むプールに【リサイクル工場】(全7枚)がちょうど1枚ある確率は
P(4,1,7,1) = 38.5%
4人戦で第1ラウンド開始時の自分のパックに【リサイクル工場】が1枚あった。この時、他のプレイヤーのパックに少なくとももう1枚【リサイクル工場】がある確率は
1 - P'(4,1,6,0) = 62.1%

3.応用例

2.の式を使って、より実践的には以下の様な計算ができます。

3-1.例①『第1ラウンド、緑ルートに行くべきか?』

5人戦の第1ラウンド開始時、自分のパックに【神経科学】があった。このドラフトで【研究施設】もピックできるならば、ここで【神経科学】をピックしたいが…。このドラフトプールに【研究施設】が少なくとも1枚ある確率はいくらか?(自分のパックには【研究施設】は無かったものとする)

【研究施設】は全部で7枚なので、自分以外のプールに【研究施設】が少なくとも1枚ある確率は1-P'(5,1,7,0)=79%です。この位の確率があるならば、この後で【研究施設】をピックできる見込みで【神経科学】を先ピックしてもいいかな…という気になります(もちろん、【研究施設】があっても先に取られてしまったら元も子もないのですが)。

ちなみに、同じ条件で4人戦だと1-P'(4,1,7,0)=68%、3人戦だと1-P'(3,1,7,0)=52.2%です。こうなると、【神経科学】からは中々ピックしにくい印象になります。

3-2.例②『第4ラウンド、勝負を決めるキーカードが現れる確率は?』

5人戦の第3ラウンド、ドラフトフェイズが終了。緑特化の戦略をプレイしていて、キーカードである3枚の「緑×3」の得点カードのうち、1枚は自分が建設済みだが、2枚はまだ山札の中にある。次のラウンドでどちらか1枚をピックできれば逆転できそうだが、ドラフトプールに現れる確率は?

第4ラウンドの自分を含むプールに2枚のうち1枚がある確率はP(5,4,2,1)=35.4%、2枚ともある確率はP(5,4,2,2)=60.1%です。少なくともドラフトプールにカードが現れる確率は十分に高いようです。

4.確率表

上の様な計算をゲーム中に一々やるわけにはいかないので、確率表を作りました(本稿のメインコンテンツです)。

5.計算に使える主要な得点源カードの総数

2.3.の計算において、実際には同一のカードでなくても、(近い役割を持つような)数種類のカードの残り枚数をまとめて「N枚」として扱うことができます。覚えておくと良さそうな各得点源の総数を以下にまとめます。

黒カード ×1点:5枚
緑カード ×1点:2枚 ×3点:3枚

カード ×1点:1枚 ×2点:3枚 ×3点:1枚
カード ×2点:4枚
投資家  ×1点:7枚
将軍   ×1点:6枚 ×2点:1枚

6.第1ラウンドの各色リサイクル資源の枚数期待値と標準偏差

第1ラウンドで重要になるリサイクル白資源のドラフトプール内の枚数の確率分布をグラフにしました。(リサイクル白資源のカード総数は33枚なので、P(1,i,33,n)で計算できます。)

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同じやり方で各色のリサイクル資源の枚数の確率分布を計算して得られる、一人当たりの枚数の期待値と標準偏差を以下の表にまとめます。

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第1ラウンドで重要になるリサイクル白資源は期待値で一人当たり1.54枚ですが、標準偏差の範囲でざっと1枚~2枚の間でばらつきます。【原子力発電所】や【金融取引所】を第1ラウンドで建てるにはリサイクル白資源が2つ必要になりますが、この難度はやや高いことが分かります。リサイクル白資源が1つで良い【研究施設】や【工業団地】は安定して建ちそうです。

リサイクル黒、緑、青資源は期待値が小さい割に枚数のばらつきは白や黄と変わらない程度に大きく、プール内に非常に少ない場合があります。このため【原子力発電所】や【原油採掘】を建てる場合のリサイクル緑や青資源にも注意が必要そうです。一方でリサイクル黄資源は多いので【巨大ダム】は簡単に建ちそうです(やはりダムは強しです)。

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