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「無鄰菴の自然の魅力をどのようにして伝えているか?」

書いてる人
平野友昭(ひらの ともあき)
植彌加藤造園株式会社 指定管理部 無鄰菴管理事務所スタッフ。
 無鄰菴の仕事に携わり、日本庭園に囲まれた環境で日々業務遂行できる事は、嬉しい限りです。生き物好きの私にとって、緑の歩みを感じ、四季折々の景色を観察できる事は、目線に変化を持たせてくれる場所でもあります。
 
 感じ取ったもの、確認できた気づきを来園者にお伝えする際には、時間を忘れて歓談をしてしまう事もしばしば…。それだけ魅力ある空間で業務ができるのは特別な事と感じております。
無鄰菴


 今回はお庭の魅力は誰がお伝えしているか?についてご紹介いたします。庭園は施主の意向などで個性が様々。無鄰菴庭園もたくさんの生き物の育みがあり、毎日変化があります。景観全体を一望するとその変化の歩みは殆ど感じられませんが、実は微妙な変貌を遂げているのです。その様子を毎週5日間、まだ開園前の時間や午後の時間帯にお庭全体の様子の観察を続けているのは私です。約1000坪の敷地内には樹木・流れ・開けた空間があるので、エリアによって育つ植物や訪れる生き物も様々。それらの変化をまず、無鄰菴スタッフにお伝えし、お庭の状況を共有しています。
 
 無鄰菴来場いただいた方には基本、毎時5分からと30分に約10分の無料ガイドを行い、お庭の魅力を盛り込んだものをお伝えしています。5月のこの時期によく聞かれることが「流れ内に咲いているものはアヤメですか?それとも別の種類のものですか?」とご質問をいただきます。5月末には花は散ってしまいますが、「カキツバタ」であることをお伝えしつつ、アヤメとカキツバタ、ハナショウブの見分け方なども豆知識としてお伝えをしています。毎週水曜日の13:00、14:00からの来場のお客様につきましては、10分の無料ガイドの後で無鄰菴にやって来る野鳥たちのお話もございます。お話の最後には皆さまから日本の野鳥の名前を1種、お題として挙げてもらい、その種について図鑑には載っていない行動や習性などのお話をし、オリジナル野鳥ポストカードを1枚プレゼントさせていただいております。
 


※プレゼント用の野鳥ポストカード(数種類ございます)


 5月半ばから6月にかけてのお庭の変化や魅力としては春季と夏季に咲く野花が見られる季節。カキツバタの2番花はピーク過ぎとなりましたが、花柄が無くなる頃の庭園内ではハナショウブが無鄰菴庭園を彩る代表花となります。どの野花がどのあたりで見頃を迎えているかの場所のアドバイスや、庭園で見られた野鳥の照合など、ご質問いただければその場でご返答しています。筆者の私を見かけましたらお気軽にお声掛けください。種名がわかり、その生態を知る事で、来場者の皆さまが動植物に対する興味を一層重んじてもらえることを目的としています。お庭の散策中に発見できた生き物たちが何なのかが予め判明しているとお庭巡りが一層楽しめるものとなり、視野が広がる事でお庭の細部まで目が届くようになりますので、是非目線を変えてお庭をお楽しみください!

お庭の植物や野鳥も是非お楽しみください!

次回は、指定管理部 太田から「感染症や政治危機で、がっくりと来場減った時に起こった出来事、その対応」といった内容について掲載する予定です。

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