ドロヌーバと4足歩行サザエさん(1)
銀河小説「タンホイザー・ゲート」シリーズ Part 1
~GENESIS~
最初に混沌があった。
闇と光は混ざり合い、天地の区別はなく、かすかな脈動と永遠のさざ波の合間に、遠く雷鳴が聞こえていた。
外なる神は言われた。
サザエあれ。
サザエさんの概念と、サザエの中核をなす塊が生まれた。
サザエの前脚あれ。
サザエに前脚が生えた。
サザエの後脚あれ。
サザエに後脚が生えた。
外なる神はサザエの四本足を見てよしとされた。
第一日が終わった。
翌日の早朝。
外なる神は思い出して最後に言われた。
サザエの頭あれ。
サザエに頭が生え、サザエさんが完成した。
外なる神は四本足で地を這うサザエを見てよしとされた。
やっぱウロコはいらない
サザエを覆う全身の鱗が落ち、肌がむき出しとなったサザエを見て、外なる神はどうでもよくなった。
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