![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98784909/rectangle_large_type_2_1b45eafcb1e243e3f32da3cc49d3409e.jpeg?width=800)
デザイン今昔物語 vol.2
ポジのレンタル
世間はすっかりサブスクが普通になり
音楽も映画、ドラマもほとんどサブスクで見ることが出来ます。
そんな私も家ではテレビをリアルタイムで見ることなく、
好きなドラマ・映画を好きな時に見る習慣がついてしまっています。
今回はそんなサブスクなんてなかった時代。
といっても子供の頃じゃありません。
バリバリ社会人の頃です。
今では写真・イラストを探す時は
大抵の人は素材サイトから選び、ダウンロードし、使用する
という方ばかりだと思います。
私がまだデザイナーとして駆け出しのころは
「レンポジ屋さん」がいました。
たとえば、世界遺産のマチュピチュの写真を使いたい。
今だったら「マチュピチュ」と検索します。
![](https://assets.st-note.com/img/1677220683791-68o9FHQKjf.jpg?width=800)
当時は「レンポジ屋」さんに
「マチュピチュのポジを数点持って来てください」とお願いし、
早くて当日、遅いと数日後に「ポジ」を数枚持ってきてくれていました。
それは今は見ることのない、
1枚1枚B5サイズくらいの大きさの「ポジフィルム」です。
ポジを天井の明かりや日光の明かりをすかして
写真の構図を確認し、
候補のポジの中から良さげなものを数枚ピックアップします。
ピックアップしたもの以外はその場でレンポジ屋さんに返却。
![](https://assets.st-note.com/img/1677220712022-wN3P04nbTF.jpg?width=800)
社内のスキャナーでポジをスキャンし、
原稿に配置し、クライアントに確認してもらい
写真がOKであればポジ屋さんに実データをもらい
原稿の写真を仮のものから実データに差し替えをする。
ポジは他のお客さんも使うものですので
もちろんポジ屋さんに返却が必須。
ただ、一度紛失事件がありまして
無くさないように封筒に入れて保管したものがない!
大騒ぎして机をひっくり返して探しました。
結果、どうやら紛失してしまった。
ということでポジ代を弁償するハメに。
![](https://assets.st-note.com/img/1677220742022-OoM6oYUhgP.jpg?width=800)
当時の社長、本当にすみません。
今更すぎですが・・・。
ポジの管理もそうですが、
一度使用したポジの実データの管理も厳しく
二次使用かどうかをわかるようにデータを管理していました。
今はネットで検索、ダウンロードして原稿まで配置がものすごく早い。
1枚の写真の値段も昔とは比べものにならないほど安い。
効率もいいし、手軽に使えるといった点では
いいんですが、
無意識のうちに写真に対する価値が
どんど下がっていってしまっているような。
クオリティは維持して
低価格で使い勝手がいいものが
選ばれる時代。
提供する側の努力が問われる
世知辛い世の中ですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?