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植物と生活

子供のころ、庭には季節の花や植物がたくさん咲いていました。
私のおばあちゃんが毎日通っていた畑には、春はいちご、夏はスイカ、秋には栗や柿など、その時にしか味わうことのできない野菜や果物がたくさんありました。

大人になって実家を出て初めて、「花や植物のある生活は、当たり前ではなかったんだ」と気づきました。今住んでいるところは都会というほどではないけど、田んぼは埋め立てられ、大きな畑もみられません。去年はカエルの大合唱だった場所の上には、大きな施設が建っています。

昔は自分たちの食べるお米や野菜などは自分たちで作るのが当たり前。ご近所さんと収穫したものを物々交換したりして、いろんな旬の食材を食べることもできていました。
美味しいものを食べるために植物を一から育て収穫するまでの行程の中で、植物について自然と知ることができていたのではないでしょうか。

便利な世の中になって、食べるものは育てるよりも買う方がコスパが良くなり、スーパーなどで購入するのが当たり前になりました。それどころか、調理されたものを買うことも容易になりました。実際の野菜や果物がどんなものか、自分が食べているものが何なのかすらわからなくても生きていけます。気になったら書いてあるものを見れば良いだけ。

今の時代は、土に触れたり、植物に触れる機会は自分で作らないと得られません。植物に触れることが生活の一部から、贅沢品になったとも言えるのではないでしょうか。そうなると、私たち人間が本来使っていた「五感」を使う作業が衰えているようにも感じます。日々の仕事や生活に追われるがまま生きていると、なかなか自分の感覚を意識する機会はないのでは。

そんな時には、部屋に一輪お花を飾ったり、手軽に使える天然の香りを楽しむことで、五感を使ってリラックスでき、脳にも良い影響を与えてくれます。
嗅覚は特に脳の本能的な部分に関わっています。香りによって自分を整えることは、自分本来の力を発揮させる強力なサポートともなります。

植物に触れることが贅沢と言いましたが、お花やエッセンシャルオイルは数百円で買えるものもあります。頑張っている自分の体への労いや感謝を込めて、こうした植物を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。いつもの生活が少し違うものに感じられるかもしれません。



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