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漫談を見てきたよ

今日はいつもと違う感じの回。
下北沢に漫談を観に行ってきました。松竹芸能所属のぬらぬらさんという芸人さんの単独ライブです。60分喋り続けるというイベントでございます。

↓とりあえずBGM選んできたから聴きながら読んでみなさいよ。帰りの電車で聴いた忘れらんねえよが妙にしっくりきた気がしたんだよね。


漫談…ずっと東京住まいの者としてはあんまり馴染みがありません。まぁだからと言って落語とかも馴染みはないんだけど。自分の世代で言えばコントとかの方がお笑いとして馴染みはあるっちゃあるけど。ただお笑いライブは数回行った事があります。30組くらい出てきて投票で上位にいった人が上のランクのライブに出れるみたいなやつを。

テレビで観るとか、今ならYouTubeでネタを観るとかって事はあっても、言うたら昔っからお笑いが好きでライブとか行ってたって訳ではない私奴が何故ぬらぬらさんを知ってライブを観に行くまでの興味を持ったのかという所からお話ししましょう。

説明のタームなのに前段の前段を端折りますけど、ヒラジオーネタライブというお笑いライブがあったんです。8月だったか9月だったかくらいに。今日と同じ下北沢のSOY-POYという箱で。そこでぬらぬらさんという人のネタと人となりみたいなものをちゃんと観たっていうのがしっかりしたファーストコンタクトでしょうか。それを観に行くに至った経緯は今回は端折りますけども。

まぁそこで観たぬらぬらさんに興味を持った訳です。漫談にしてはアクティブ…というか、漫談ってどちらかというと穏やかっていうか、内容は毒づいたりはあるかもしれないけど、動きのあるもんじゃないってイメージがあったんですよ。それが覆されるような内容だったというか、スポーツ的な味わいを感じたというか。フィジカルな漫談だったんですよ。こんなに動いてこんなに叫ぶんだっていう。スポーツのようでもあり、ジャズバンドのセッションのようでもあり、パンチラインを叩きつけるって意味ではヒップホップのようにも感じたんです、私奴は(やっと音楽好きっぽい感じになってまいりました)。

そういう、お笑いなんだけどそれだけじゃない何かを感じたから、単独ライブとやら行ってみようじゃないの!って思ったんですわ。説明なげーな。それではここからライブの感想編に入ります(世界の車窓から風)。

↑ナンバーガールのオマージュみたいでかっこいいフライヤー。

やっとこ本編の話ですよ。前置きが長かったなぁ。自分はあんまりゲラゲラ笑う方ではないので(感情が無いと言われた事がまぁまぁある)、芸人さんにしたらいい客ではないかも知れないけど、静かにではあるけど楽しませて頂きました。まずしっかり面白かったんです。東京に遊びに出てきた友達と過ごした一日の話とかね、人によっては普通に話す内容かも知れないけど、それをフィジカル且つしっかり漫談として喋っていく訳です。確か、前にテレビで誰だか忘れちゃったけど芸人の人が「ここで終わったら普通の話で終わっちゃうけど、面白くなるかも知れないと思って普通だったらしない選択肢を敢えて選ぶ事はある」っていう話をしてたけど、観ててその言葉を何となく思い出して。漫談として話す為の観察眼がしっかりあるのを聞きながら感じましてね。ただ強いワード出せばいいって思ってるようなヤツは大っ嫌いなんですけど、しっかり考えて纏めてるっていうか所々に滲み出る丁寧さみたいなものに感動したんです。神は細部に宿るなんていうけど、正にそういう感じ。

とは言え、ただの一無名人がフリがどうとかボケがどうとか言うのはナンセンスだと思うんで、まぁその辺の話はまぁ置いといて。音楽的に気持ち良かったんですよね、純粋に。一応、1人の音楽好きとしてnoteを始めたんで、お笑いにしてもそういう切り口で語りますけども。それなりにキャリアのある芸人さんだからなのか、元々の素養なのかリズム感がいいように思いました、ぬらぬらさん。心地よく聴ける流れがあるって言ったらいいのかな?しかも60分喋り続けるってただバーッと喋ってても楽しいかって言ったら違うと思うんですよね。緩急とか声色とか色々とあると思うんですけど、何というか音楽的な意味でも浴びてて気持ち良かったんですよ、漫談が。そこに言葉があるというのが心地良いし刺激的でもあるしっていう。まさか漫談に行ってきたよって話でこんだけつらつら書くとは自分でも思ってなかったけども。

自分を高める為にテレビとか出るよりも舞台に立ってるんだっていう話もされてて(そりゃテレビにも出たいんでしょうけどさ)、そういう姿勢というか意思みたいなものに、ドサ回りをしながらロックし続けたドクターフィールグッドを思い出して、汗だくで舞台で喋り続ける姿にリー・ブリローがオーバーラップしたりして。人によってはストリーツを思い浮かべるかも知れないし、ボブ・ディランを思い浮かべるかも知れない。
↓ここからは好きなBGMを選んでくれ!


ぬらぬらさんが読んだら「良く言いすぎだよ!」っていうかもしれないけど、日常を切り取ってフィジカルに漫談にしていく姿ってこの辺と繋がっていくと思うんですよね。デビルマンだと、シレーヌは血まみれでも美しいだけど、舞台で汗だくでしゃべり続けるぬらぬらさんはカッコ良かったよ。毎回あのスタイルでは無いにしても(毎回あんなロングセットだったら相当しんどいとは思いますけど)、超ロング漫談ってフジロックで明け方に死にそうになりながら聴いたDJみたいな、なんか独特の気持ち良さというかエクスタシー的何かが感じられてとどのつまり行って良かったなぁというお話でした。

PS.最後にぬらぬらさんにどうしてもお伝えしたい事がございます。私奴はコロンビアのマウンテンパーカーを着ておりましたという事だけは忘れないで頂きたい。

それではまた!

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