後ろ向きに前へpt2'''母とおにぎりと鯨浜'''

小学二年のとき、俺は一度も友達と遊ばなかった。
日本語がおかしいらしく、話が噛み合わなかったのをよく覚えている。田野大海にクラをとられたのも理由の一つだ。
だが、かえってよかったのかもしれない。
俺はその大半を母とゲームボーイと過ごした。
父親は何年も出張に行っていた。
母は一人で大変だったに違いない。

ある日母は思い立ったかのように
「龍くん、海に行こう」と言い出した。
俺は困惑した。何故か母が少し心配になった。

斯くして母のおんぼろな自慢の軽自動車(マニュアル)の不器用な運転で海へ行った。
鯨ヶ浜とゆうローカルな海だ。
鯨のような岸壁がそのモチーフかもしれない。

母は
「風の強かね」雲を指差し「龍くんあれ何に見える?」とか、「裸足で歩いてみようかな?」
とかとか話しかけた。俺はただ妙なアンサーを返すだけだ、だが彼女は構わず俺に言葉を投げ掛けた。鯨が浜は我々の貸しきりだった。
他にも人がいたかもしれないが、意識が捉えてなかったのかもしれない。
なんにせよどちらにせよ、二人きりだった?

俺は病的に言語能力がない自分が悔しかった。
なんて返事をすれば彼女は喜ぶのか、わからなかった。
すまなかった。

母はニコニコしながらアルミホイルに包んだおにぎりを出した。
たくわんが添えられていた。おにぎりは四つ。

俺が二つ食べた。母も、ふたつ食べた。
風に舞う砂がおにぎりにかからないように、
隙を見計らってパクッと食べた。
砂がおにぎりを襲ったら大変だからだからだ!
おにぎりを美味しそうにたべる母がかわいかった。

母は「今日のことは内緒ね」
といった。返事はしなかった、
何を誰に内緒にすればいいのかわからなかったからだ。だか、だまって頷いた。

だから、書いてしまったけど、
これを読んでいるあなたにお願いがある、

内緒にしなきゃいけないらしいので、
このことは、内緒でお願いしますね🤫笑

では、またね
よんでくれてありがとうございました

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