人を引き付ける無料というビジネスモデル

当コラムは『堀江貴文のブログでは言えない話』で連載している内容を週遅れで転載しています

 先日、とあるラーメン屋が250円の激安ラーメンを提供し行列になっているというニュースが話題になりました。
▼「1杯250円」ラーメン店に行列!物価高のなか驚きの低価格
https://bit.ly/3vjm8y9

 この価格を見て、その安さに驚いた人も多いはず。というか、先週書いたビジネス脳の人は、「家賃や人件費、食材費などを考えたら、1杯250円だと赤字では?」と感じたりしますよね。ということで、蓋を開けてみるとしっかり儲けているらしいのです。

 んじゃ、「いったい、どういう仕組み?」と考えたりすると思うのですが、その答えは“トッピングビジネス”だったりします。ここまで聞くと勘が良い人は予測できると思うのですが、250円と謳っているものの、お客さんは「ラーメンが安いから」とチャーシューや煮卵、餃子、チャーハンなどのトッピングを追加で注文するわけです。
 すると、気づけば普通のラーメン屋と変わらない客単価になっていたりするのですね。
 つまり、「1杯250円」と謳っているのは客寄せパンダということだったりします。
『ホリエモバイル』の特典で毎月『小麦の奴隷』のザックザクカレーパンが無料でもらえるのですが、これも同じ。普通無料で配ったら赤字になると考えるので割引クーポンとかにするのですが、それではたまたま来店した人が使うだけ。来店のきっかけにならないので、そこは無料で一個とするわけですが、来店すると無料で一個もらうだけでなく、ついでに他のパンも購入する人が多いので売り上げに繋がるのですね。

 これは最近は飲食業界だけでなく、デジタルサービスの世界でもそうなりつつあります。無料で遊べるけど射幸心から課金をしてしまうソーシャルゲームや、「待てば無料」だけど続きが気になってしまう無料オンラインマンガサービスなんかもそれです。
 これは人間の「我先に」とか「気になる」を利用した心理的なサービスだと思うのですが、そうではなく上手にビジネスをしているのが、auの『povo』( https://bit.ly/3VwidbU )という通信サービス。
 公式サイトを見ると“基本料0円から始めるpovo2.0”と謳っていて、これは先のトッピングビジネスと同じ構図です。仕組み的には、基本料は0円でそこからユーザがデータ量だったり、コンテンツをお好みで追加できるというもの。だから、基本料金の安さをウリに加入者が増えているのですね。だって契約しても、必要なとき以外で使わなければ0円ですから、人が集まってくるのは当然です。

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