長寿で目指すは『ワンピース』ではなく『こち亀』

当コラムは『堀江貴文のブログでは言えない話』で連載している内容を週遅れで転載しています

 知識や経験が蓄積されていくと「大切なことをいつの間にか忘れてしまうこと」ってことがあります。成功体験を重ねることで「この方法が正しい」という固定観念に囚われ、知らず知らずのうちに道がそれてしまうこともありますよね。
 特に長く続けているものほど陥りやすいトラップだと思うのですが。こう書いている自分も最近まで「長期連載のジレンマ」に陥って、完全にドツボにハマっていたなと思うことがありました。

 それは“連載のタイトルにナンバリングを付けること”です。これ、一見すると便利なように見えるのですが、実は読者の購読ハードルを上げてしまうことにもなりかねないのですね。
 例えば、このメルマガのタイトルは「堀江貴文のブログでは言えない話 Vol.xxx」ですが、タイトルだけを見ると、長寿でスゴイと思いつつも、逆に「今更読まなくてもいいかな」「今から追いつくのは大変だな」と思わせてしまう可能性もあるのです。
 以前、『ドラゴンボール』を生み出した伝説の編集者である鳥嶋和彦さんから「長いものを続けるのがいいってことじゃない」と教わったことがあります。少年誌に掲載する漫画は少年が読み終わるくらいで連載を終わらせないといけないと。たしかに今から『ワンピース』を最初から読みたいかと問われたら「連載が終わってから読む」という人が多いはずで、それより話題の短編漫画のほうが手に取りやすいですよね。
 もちろん長期連載は売れているから続いているわけなので決して悪いことではありません。でも長期連載だけを売りにしてしまうと、かえって新規読者が入りにくくなるというマイナスに働く作用もある。だから、このメルマガも新しい人が入りやすいような取り組みをしないといけないなと感じたわけであります。
 長期連載ではありつつも短話で楽しめる、いわば『こち亀』みたいな感じを目指すべきなのですが、内容的には続き物というよりも既に各号読み切りに近い感じにはなっていると思います。

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