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管財人ガチャ

 ふと、フォロワーさんの投稿やオプチャを見て、思ったんです。
 みんな『管財人ガチャ』を知らないんだと…!これはとても新鮮な気持ちになりました。
 私の中ではここ7年くらい管財人ガチャの存在が常に念頭にあって、今でも申立ての時には、アタリが出ることを祈っています。
 そこで今回は、このスペシャルなガチャについて書いていこうと思います。


そもそも管財人ってなに?

「財産を管理する」

 破産手続きの開始決定が出ると破産者の自由財産を除く財産は管財人が管理する「破産財団」に属することになります。
 その破産財団にある財産を売却や解約、請求等を行い現金に変えたり、破産者に放棄して返還したりします。
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「手続きをチェックする人」

 申立代理人は、もちろん申立人の味方ですから、申立人に有利な書類や意見を裁判所に提出します。これが、正しいのか?妥当なのかを再調査して検討するのが管財人の役割と言えます。

管財人ガチャとは?

 管財人ガチャは最低20万円で回す超ハイエンドガチャです。
 管財人は破産手続開始決定と同じタイミングで裁判所が選ばれる弁護士で、開始決定前に管財人と打ち合わせがありますが、厳密には「管財人候補者」といった位置づけです。
 管財人は各裁判所の「管財人名簿」に登録された中から、裁判所が選んで
 これをガチャに見立てて、裁判所がガチャを回し、出てきた弁護士がアタリかハズレかというガチャを管財人ガチャと(勝手に)呼んでいます。

 なぜ、当たり・ハズレがあるのかといえば、管財人の調査方法は管財人に裁量があり、管財人が必要だと判断した場合、自由に調査することができます。また、管財人の権限はとても強く、大抵の相手であれば、管財人の権限で開示してもらうことができます。
 よくあることですが、申立代理人弁護士だと何も教えてくれない相手でも、管財人だとすんなりと開示してくれる銀行や証券会社等はとても多いです。

管財人の種類と排出率(目分量)

アタリ:20%、普通:60%、ハズレ:20%くらいのイメージです。

エリート管財人 5%

単純に優秀な管財人で一般の人はあまり当たらない。
複雑な案件で稀に現れる。スマートで無駄がない指示をしてくれる。大きな事務所に所属しているイメージ。

エンジェル管財人 15%

他の仕事が忙しく、管財事件を片手間でやっている。
1件20万円と端的に見ていて、細かいことは気にしない。
大きな事務所に所属しているイメージ。

ノーマル管財人 30%

可もなく不可もなく、普通のことを聞いてくるあっさりしたタイプ。
淡々とやることをやっていて、どんな事務所にもいるイメージ

ジャスティス管財人 30%

正義の心が強い。反省文や診断書、毎月家計収支の提出などの形式的なことが好き。
ちょっと面倒くさいくらいで、言ってることも分かるし、理解できる範疇を超えないくらい。どんな事務所にもいるイメージ。

ヘコヘコ管財人 10%

裁判所の評価を気にしている。手柄を立てて、もっといい事件に手を伸ばしたいので、妙に意見書も長々と書いている。中規模な事務所にいるイメージ。

カネカネ管財人 5%

お金が欲しい。破産財団を換価すれば、自分の報酬が増えるので、原理的に請求・換価の余地があれば、債権者のために、裁判所が...とそれっぽいことを言ってお金を要求してくる。個人事務所や小さな事務所に多いイメージ。

ネチネチ管財人 5%

もはや、何が目的か分からないことまで細かく聞いてくる。
家計収支の裏付けとなるレシートや領収書を要求してきたり、電子マネー、デビットカードの明細などを要求してくる。どうしたら解決するのかも分からないタイプ。個人事務所や小さな事務所に多いイメージ

まとめ

 いかがだったでしょうか?
 いろいろ書きましたが、基本的に管財人は免責相当である意見書を書くために調査を行っており、あら探しをしているわけではありません😊✨

 破産管財人は、確かに選任された人によって調査方針が違いますが、目標は皆さんや代理人と同じで「免責許可」という気持ちでやっていると思います。
 破産手続の相手方はいつでも債権者です。破産手続の申立書や事件の経過は債権者であれば閲覧することができます。これを代理人弁護士や管財人が手を抜いてしまうと、債権者が資料を見た時に不満や異議が生まれる可能性が高くなります。
 これにより、破産手続自体の信用がなくなってしまうと、当然免責に関しても厳しく検討せざるを得なくなります。
 破産管財人は代理人や皆さんと協力して、1つの破産事件をより完璧な状態に近づけることで、最終的に債権者から皆さんを守る役割があり、「ここが明らかにならないと」「この財産は換価しないと」債権者が納得しないだろうと考えられるところを調査し、公正な手続きを維持することで債権者から異議が出ないように調整しています。また、債権者からの恨みやその責任を管財人は負っています。こんな背景もあるので、どんな管財人が選任されたとしても、きちんと協力することで皆さんの将来を守ってくれていることを忘れないようにしてもらえたらと思います。

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