地域コミュニティの謎6

2日間で約6万人が来ると言われている盆踊りでのカキ氷出店は、昼の15時から夜の22時までずっと立ちっぱなし。1日目が終わったが、すでに足がパンパン。自分は比較的毎日走ったり、鍛えているのでそのくらい。他のお母さん達は腰も痛いとなげいていた。
ましてや、高齢になってくるとこの身体への打撃はとても大きいと思う。となりの出店もとなりの出店も、見渡せば60才以上の方がメインでやっている。焼きとうもろこしを出店していた隣の町会は、とうもろこしの皮をむく作業が高齢にはきついということで、昨年出店をやめた。盆踊りの人気は増加してるに反比例して、出店は減っている。本来だとテキ屋がはいるサイズの祭り。ただ、地域はテキ屋を排除して地域の祭りにした闘いの歴史があるらしく、それをずっと守っている。それはそれで素敵ではある。

だからもっと若い人を巻き込む仕組みにしたらいいのにと思うが、まあやり方もわからないだろし、そこにコミットする時間のある人もいないというのが現実(みな本業抱えならやってるので)。

そんな中、今回、我が町会カキ氷も人手不足をいうことで、地域に学校を構えるデザイン専門学校の若者が2名手伝ってくれるとのこと。これはありがたい、と歓待したいが、うちの70才の会長はそれは気にくわない様子。
どうやら以前にも頼んだことあるが、全然働かないから嫌なんだという。時給あげてるのにさ、全然働かないと。それで断っているといた、という。

今回来てくれた2名は、確かに茶髪に紫やピンクも混じったロングヘア。ビジュアルロックが大好きなのね、そんな感じのメイクに、マニュキュアもすごかった。多分18才ぐらい?もちろんカキ氷やるの初めて。話していても、反応薄くて愛想はない。

遅刻してきた段階で、会長は怒っている、そしてそのビジュアルをみて更に怒る。だから嫌なんだ!と。
いや待てよ、遅刻はともかくビジュアルと働く働かないは関係ない。

カキ氷は一台稼働させるのに、カキ氷機械でカキ氷を作る人、シロップをかける人、お客さんの要望きいてお金をもらう人、長蛇の列ができるので、適当に列やその他を調整する人(つまり各担当を見て、臨機応変にサポートする人)4人必要だ。

会長やみんなは、カキ氷の主役はカキ氷とシロップだから、そこは任せられないどろうと言っていた。なので、何でも屋であるサポート役をやってもらっていたが、全然働かないという。時給あげてるのにさ、と何回も言っていた。

今回、私は彼女達をカキ氷とシロップにつけた。実はそれが一番簡単なのだ。サポート役などは、実は回りや全体が見えて先回りする人しか役に立たない。臨機応変さが必要だ。カキ氷とシロップは、確かにそれがメインだから、大変そうに見えるが、お客さんに言われたものをただひたすら作るから、暇にならない。そして臨機応変な対応もいらない。腰も痛くなる高さのカキ氷機械に向かい、ひっきりなしに注文がはいるけど若いし時給に値する働きができる。今回、ちゃんと髪を束ねてもらい、手袋してちゃんとカキ氷何百杯とつくってくれた。自分は全体をみるために、そのサポート役にはいって臨機応変に動いてみていたが、彼女達が時折見せる笑顔にちょっと嬉しくもなった。楽しくやってもらえたらいいなあと思う。

祭りの当日はとにかく、忙しいし臨機応変さが求められるし、体力も使いみんなが疲れてくるのでピリピリした雰囲気になる。会長は特にピリピリしてて、ちょっとした事であたりが強い。私もここ数年、馬鹿だスカだと言われながらやってきた。だから、余計お手伝いが嫌だなあ、という印象になる。
まさに、背中を見て学べ、でビジュアルの彼女達に限らず教えてくれないのに、できないと、あの人は使えない扱いになる。私も多分数年間言われ続けてるんだろうな、と思う。

世代的もそんな世代だから仕方ない部分もあるが、仕事の采配の適性を考えるだとか、最初から偏見を持たないとか、手伝ってくれる人を値踏みしないで感謝するとか、ちょっとした事を工夫し続ければ、きっとこんな人手不足、出店の担い手不足にはならなかったかもしれない。

よく言われる地域や企業間の世代分断はこういう事でなんだろうと思う。自戒もこめて。

と、足がぱんぱんだけど、今日あと1日頑張ろう。

#地域 #地域コミュニティホラー #組織

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