令和5年京都大学編入試験(民間事業を国が行うことの是非)講師解答例。

問題を入手したので、講師Nも答案を作ってみました。時間は75分で、資料を見ないで書きました。難易度は例年並みかやや難しいという印象です。1600字程度の答案になりました。講師は気楽なものです。極度の緊張の中で答案作成しなくていいからです。その意味で、改めて受験生の苦労に思いをいたしました。
 民間企業が行うことができる事業を国家が行うことの是非について問う問題でした。個人的には、自治体の水道事業売却による民営化の事件を想起しました。地方自治体では、水道事業の負担が重く、売却を検討しているところも多いです。もっとも、世界的には水道事業売却→民間企業に移管→民間企業寡占化→超絶値上げ→市民怒り→政治問題化→やむなく再国有化という経緯をたどっているところもあります。つまり、新自由主義的な政策の綻びが目立ってきているわけです。水道民営化なんて、何周遅れのクソ政策の後追いともいえるわけですね。
 また、郵政のサービスの悪化も可視化されてきています。普通郵便が到着に5日かかる事案もみられます。郵政の中の人が悪いわけではなく、政策の蹉跌ですよね。
 そうすると、新自由主義政策の綻びが可視化した反面としての、再国有化の評価の時代なのかもしれませんね。そこを突いてくる京大の問題は相変わらず鋭いなあなんて思いました。以下に講師答案を載せておきました。


ここから先は

1,670字

¥ 1,980

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?