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11週目:つまりここからが本番

この記事は無料マガジン
 『偏光点字技術』中の
 「偏光触読まとめ」に添付します。

(文字数:約2000文字+図1枚)



人助けに来て試験って(泣)

  実は点訳ボランティア員になるためには、
  約一年間の「養成講座」が存在し、

  講座を受講するに当たっても、
  事前に基礎国語力の試験がある。

  ここで点数が取れず講座に入れなかった人が、
  「人助けに来て試験って何」
  と悲しんでいたが、

  実は養成講座の中間にも、
  習熟度を測る試験があり、
  そこで点数が取れなければ今期はさようならだ。

  つまり無事に養成講座を修了した者は、
  既に一般平均よりは相当な国語力を駆使できる、
  精鋭たちなんだ。

  しかし本人たちに、
  自分たちがそこまでの能力保持者だという、
  自覚は無い。

  自分の仕事に対する、
  良い評価を聞く機会なんて基本無く、

  むしろ校正されまくって指摘されまくって、
  「もっと利用者への配慮を」とか言われまくって、
  自信なんか無くなったように見える人の方が多い。

  あるボランティアさんがいみじくも仰ったが、
  「一年間の養成講座なんて、
   プールの中でビート板で泳いでいたようなもので、
   修了してさあボランティア員になったら、
   いきなり大海原に放り出される感じ」

  面白い表現をする上に的確だと、
  リマさん(仮名)も頷いていたんだが。

  実際のところ言語という大海は果てしない。
  特に日本語はそもそも同音異義語過多な上に、
  常に新語が生まれ古い語は廃れ流動する。

  しかも本当を言えば、
  精鋭たちが扱う言葉に文書ばかりが、
  世にあふれていて今必要なわけでもないんだ。


今週触った文字で教科書はおしまい

  思いっきり概要をまとめただけって感じで、
  これでなんとなくにでも分かってもらえるか不安だが、
  教科書的にも応用編、
  巻末の参考資料的な位置付けなもので。


しかし日本語って奴ぁ

  日本語に限らず、
  諸外国語も実際そうだろうと思うけれども、

  教科書をひと通り終えた程度で、
  修了できるわけでは全然無い。

  先週もちょっと嘆いたが、
  実際に触読する文章は、
  アルファベットも数字も特殊音も記号も、
  入り混じりまくっているんだよ。

  そんなわけでリマさんからもらえる、
  点字毎日は大変に有り難い有り難い。

  教科書ひと通り終えたって、
  そっから先も練習し続ける、
  硬い意志が無ければ、

  教科書程度の知識なんざ、
  いつの間にやら無益になる。

  何も点字に語学に限らない。


この先の予定

  来年度11月頃の、
  点字技能士、という、
  
資格習得試験を目指して、

  もらえる点字毎日を読み進めつつ、
  試験勉強を進めて行く。
 
  資格が取れたなら、
  自作の小説の点字版を作成しつつ、

  ボランティアセンターを通すほどじゃない、
  日常的な文書とか、
  多少間違ってていいからなるべく早く読みたい文書とか、
  受注点訳して行きたいんだが、

  点字プリンターを個人で買うのは高ぇので、
  BES(点字編集ファイル)でのやり取りになるはず。

  そしてゆくゆくは晴眼者、
  そう、今この記事を読んで下さっている、
  貴方がた一人一人にもだ。

  私は点字を普及させたい。

  いや私これ本当に真剣に言ってる。

  若いうちから始めていれば、
  老眼が存在しなくなる

  老眼がくる年齢以前であっても、
  目の疲れに視力の消耗を軽減できる

  スペースキー含めて基本、
  7つのキーしか使わないから、
  文字入力がめっちゃ速い

  つまり文章作成速度が思考に追いつく。
  漢字は基本使えないが、
  思考のメモには正直正確な漢字まで要らん。

  それより文字の綺麗さを気にする必要が無い。
  走り書いたせいで後で読めない事態も起きない。

  歌詞の耳コピがやりやすくなる。
  聞いた端から打ち込めるし、
  漫然と聞いているだけの状態よりも、
  歌の内容に世界観が頭に入ってくる。

  どうだい。やってみないかい。


とは言え補足事項

  早く読み書きできる事が、
  文字の利点ではないんだ。

  その分聞き取る音声に、
  耳を傾け切れるだけの、
  余裕が持てる事が重要だと思うんだ。

  文字として形に残せたなら、
  時間をかけてゆっくりと、
  一文字ずつを味わいながら、
  読み進める事も出来るんだ。

  読み流した時には気付けない、
  一回読み終えた程度では分からない、
  ゆっくり一文ずつを追ってこそ身に染みる、
  そうした情報も、
  文章に音声は元来十分に含んでいるんだ。

  頭から得られないように思い込まれているのが、
  実にもったいないと私は思う。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!