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棒アイドル構想【毎週ショートショートnote】

「えええええ! なぜですか! 全てのアイドルかつアイドルファンの憧れ、究極の王道じゃないですか!」
「……マジカルスティックは昭和だあっ!」
 ここは会議室。来期デビュー予定の『幾何学アイドル』コンセプトを固めるに当たって、「直線担当」のキャラ設定に揉めまくっている。
 基本は美術・イラスト系の特技を持たせるつもりで、全ての描画の基礎となる「直線」はセンターに置きたいのだが、いかんせん動きが単調だ。
「一周回って新しいって事も有り得るじゃないですか!」
「もう5周6周はした! 元祖は1940年代だぞ! 魔法少女路線は田中ぷにえの肉体言語で終止符を打たれたんだ!」
 しかし言われた側には何かひらめくものがあったようだ。
「生身の女性ではまだ見た事無い気がするんですけどー……」

 というわけでトンファーアイドルが出現し、実質的な護身術を教えまくったので女性ファンが結構ついた。
 当初の構想は消え去ったが、売れれば構わない。


(406字)

 フツーに世の中に欲しい。
 しかし映画では既にミラ・ジョヴォビッチさんとかがやってそうだ。
 ガチの美術系アイドルもいて良さそうな気がしている。

本作品はamazon kindleで出版される
『410字の毎週ショートショート~一周年記念~』へ掲載される事について、たらはかにさんと合意済です。

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