夢の話だがしかし【誰かに言いたくなる恐怖体験】

 こちらの企画に参加します。↓

 いやマジで、
 死ぬほど怖いと思った夢を見たんだ。

 夢の話かよ、と呆れずに、
 夢の話だからこそ聞いてくれ。

(文字数:約800文字)


 化け物に追いかけられる夢だった。
 私は武器を手にしていた。

 結構戦えて化け物は、
 血が流れ肉が削げ目玉が落ち、
 見るもおぞましい姿になって行くんだが、
 なおも追いかけてくる。

 普段からは有り得ない戦闘能力に、
 流石に私も夢だと気付いてくるのだが、

 「うわああん!
  夢だぁ! これは夢だぁ!」
 と泣き叫んでも、

 「そうとも。これは夢だ。
  しかしお前本体が目覚めない限り、
  私はお前に付きまとうのだ」
 と化け物はせせら笑いながら、
 ボロボロになった顔面の皮膚を、
 自ら剥ぎ取りにかかる。

 とそこでだ。

 夢の中の景色が文章に変わった!

 私のヴィジュアル的想像力、
 ここが限界だった!

 ってか文章の方がまだ提示できんのか!
 ある意味そっちもすげぇ!

 とは言え文章だけでも相当に、
 おぞましかったもので私は、
 泣き叫びながら一心不乱に、
 手に持った武器を振るい続けて、

 次に映像が目に飛び込んできた時、

 私の周囲には切り刻まれた大量の、
 猫の死体と鮮血が散らばっていた。

 それまでも叫び続けていたんだが、
 それまでよりもはるかに重苦しい、
 自ら抱えた頭を両手で押し潰しそうな、
 大号泣で私は目を覚ましたんだが、

 まだ深夜だった部屋の暗闇に、
 ほくそ笑む老人の顔が浮かび上がって、

 私は「ああ。
 怖すぎる上に嫌すぎる夢を見たから、
 脳の特に視力回路がバグったんだな」
 と、

 本気でその時はそれで済ませた。

 その場ではそうとしか思わなかったし、
 今でもただのバグだと思いたい。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

 


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