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それはyなのかhにするべきか【なんのはなしですか】

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 配偶者以外にその感覚が、
 正確に伝わるものか正直、
 分からないけれども、

 聞いてて確かに面白いと思った話。

(文字数:約1400文字)


 「俺なー」

 とテレビを見ながらの夕飯中に、
 配偶者が呟いた。

 「しょ、のローマ字表記が、
  syo、になってんの嫌やねん」

 「……は?」

 「しょ、のローマ字表記は、
  sho、であってほしいねん」

 「……はぁ」

 余談だが配偶者は、
 生まれも育ちも関西ではあるのだが、
 「関西弁が下手なので恥ずかしい」と、
 普段は標準語を心がけている、
 よぉ分からんひねくれ者なのだが、

 たまに自分では意識せず、
 思いっきし関西弁になってる時はある。

 この記事もおそらく本人に見せたら、
 「僕この時関西弁使ってないよ」
 と言い張ってくるに違いない。
 そして妻の私は九州出身。

 余談が過ぎたが、
 点訳校正員である私にとっては、
 ごく普通に存在するに過ぎない表記の一種を、
 「嫌」とか言われても正直応対に困る。

 「大谷翔平とかshoやん」
 「哀川翔は?」
 「哀川さんもshoやで」
 「知ってんの?」
 「ああ。
  前に調べてやっぱshoやんなって」
 「調べたんかい。
  そんで哀川さんの方がさん付けなんか」

 「きょ、がkyoなのは?」
 「ええで」
 「ええんかい」
 「kが上に飛び出てるやん」

 「……なるほど!」
    ↑
  ようやくだがなんとなく理解。

 「見た目のバランスが取れてるやん。
  あくまでも見た目の問題で、
  しかもただただ俺の好みやねんけど」
 「面白い。
  それは私が結構面白い」

 「じゃあ、ちょ、は?」
 「cでやっぱhやろ?」
 「ああ。cho表記か。
  tyは認めない派だな」
 「tyとか有り得へんわ」

 (お前が有り得へんかはともかく、
  表記としては存在するんだよ。)
 という反感はごくりと飲み込みつつ、

 「じゃあ、にゃ、はどうだ(にやり)」
 「にゃ……」


     ∧    ∧  猫にゃんにゃんにゃん
 (・∀・)(・ω・)犬わんわんわん
   オリジナル世代だが。


 「nya、にせざるを得まい」
 「そうやな。
  せやけどそこはしゃあないやん。
  nha、とか見た事ないねんから」
 「ひゃ、ももちろんhyaだよな。
  hhaとか混乱するな。
  みゃ、も、りゃ、も、にゃ、同様、
  mha、にrha、は見た事がない」

 すると初めに提示された、
 syo表記が嫌、という感覚は、
 「見た目のバランス以外」の、
 何かが作用していると察せられて、

 おそらく配偶者の感覚では、
 しょ、がSHOWと表記しても、
 英語的な発音上無理がない事を、
 内心快く感じているからだろうが、


 なんのはなしですか。


 「えっとね。
  貴方の感覚と好みを把握した上で、
  否定する意図は無いと言う前提で、
  聞いて欲しいんだけど、
  世界的に主流となっているスペルは、
  残念ながらy系統なんだよ。
  hは国によって発音が変わってしまうからね」
 (あと伸ばす音でもない文中の、
  純粋拗音を表す場合には、
  syo表記の方が分かりやすいと私は思う。)

 「うん。そうだね。
  そこは知ってるし認める」


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

 

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