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【創作大賞感想】とーと『はざまの街で』

 感想記事全体の思惑:セブンソード的な試み

 6人分の小説を読み終えて、
 さて最後の一人をどなたにしようかなぁ、
 と思っていたところで、

 ちょうど筆者が投稿した、
 本作品のまとめ記事を読みまして、

 「創作大賞2024の〆切までに書き上げてくれ」
 みたいに友達から発破かけられるって、
 めっちゃ羨ましいと思って。

  初読時:2時間半
  再読時:3時間
  7話目と最終話に大きな変更点。
  しかし待ち望んでおりました。

(文字数:約1800文字)



なるべくネタバレせずに話の流れ

  御友人が熱心に推したのも無理はない。


  現世で疲れ切った魂が、
  生まれ変わるための気力を養う、
  はざまの街で、

  宿泊場所に自宅を提供する志郎と、
  小さなカフェを営む郁美、
  道先案内人の来栖が、

  時折訪ねに来るミヤに見守られながら、
  魂たちを癒す役目を務めている。


  そうした街である事を明示しながらも、
  実在感のある海近くの、
  昭和風な街並みに調度品の数々が、
  昭和生まれ海そば育ちの私にはたまらない。

  志郎の車はシトロエンで、
  郁美の車もベスパて、
  駅に行けば蒸気機関車乗れるとか、
  最高か。

  しかも主には美味い料理を食せたタイミングで、
  来世へと旅立って行く。

  自分はこの街に来るだろうか。
  その時は何が食べたいだろうか。
  あの人はこの街に来てるだろうか。

  って誰もが想いを寄せられる構成だ。
  実に美しい。

  そんなのよくあるし、
  誰にでも思いつく、
  みたいに感じる人はいるかもしれない。

  しかし書けるか、
  またどう書き表すかの方が、
  よっぽど重要なんだ。

  

重箱の隅をつつくのが大好き

  基本的には世界観を表すに、
  過不足の無い語句選びに文章運びで、
  私が理想とするところ。

  ただちらほらと所々で、
  話の内容にも関係してしまう箇所での、
  誤字脱字が惜しい。

  きちんと数え上げてはいないけど、
  十数ヶ所はある。

  山形鈍りは「訛り」とか。
  心に掛かるのは「膜」とか。
  (幕も文脈によっては間違いではないけど、
   徐々に厚くはならない。)
  いいシーンであればあるほど、
  ひらがな部分の誤字も気になる。

  あと改行位置が時々不自然。あるいは、
  書き進めるうちに改行基準が固まってきた。
  余裕が出来ればそのうち序盤も修正されるだろう。

  私が嬉々として、
  あるいはまるで嫌がらせのように、
  こうしたミスを指摘しまくってしまうのも、

  筆者の意図とは異なる、
  
事を感じて大変もったいなく思うからです。


月光山の頂上シーン

  初読時は正直不満があった。

  いいんだけど。
  これである程度充分なんだけど。
  これが貴方の全力か?

  まだ出来るだろ。
  まだ書き切れていない感覚があるだろ。
  もうちょっと、
  あとちょっとで良いんだ。
  書き直してはくれないか。

  と切に願っていたので大変に嬉しい。
  よっしゃよっしゃ。


  普段から山に登られて、
  山行記録を書かれているらしく、
  自然や季節感の描写は的確です。
  食材に料理ももちろん季節に合わせてあるしな。

  海はちょっと薄め。

  志郎は港が見える高台住まいだし、
  潮干狩りやダイビングの場所ではあるけど、
  身近に接して暮らしてまではいない感じ。  

  しかしそれも山側の描写と比較してであって、
  神仏やあの世をどちら側により強く感じるかの問題。

  読者が漁民や海育ちでない限り充分でしょう。
  そこは海育ちに任せな(・∀・)キラーン


以下はごく個人的な感慨

  大根の味噌汁がいいよなぁ。
  食べつけている身にはたまらんで。

  愛子ちゃん8歳も可愛かったけど、
  きのこ汁にも大根と薄揚げ入ってるしなぁ。

  昭和生まれやけども私もおかっぱ頭で、
  田舎のワラシ(童)やったからノスタルジー。

  志郎の『箱男』チョイスも良い。
  彼は読みそう。

  一週間はね。昏睡するよね。
  昏睡中もただ寝ているわけじゃなくて、
  身体は毒素と闘い続けてるからね。
  経験者なので語る。

  私は行く事の無い街かもしれない。
  それが悪い事とも思わないけれども。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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