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spinel3
デジタルバレンタイン狂気【毎週ショートショートnoteその2】
天井も床も全方位360度に渡って凍りついた室内に、厚手の防寒服を着込み、呼吸器付きのマスクを装着して乗り込んだ者がいる。
二種類のシャーレを左右均等に、ひと皿ずつ置いて、座り込んだ机には耐寒機能も備えた顕微鏡が設置されている。
シュゴー……。シュゴー……。
呼吸音を細く一定に保ちながら、何者かは、左右一つずつのシャーレの内側にある物を、ピンセットで一つ一つ摘み上げレンズ越しの視界へと移していく。
旧Japaneseの取り分けKanjiなどは排除される事が決定した未来である。
ほとばしる情熱を、骨身からの実感を伴って表し切れる、豊穣の海の如き言語を封じられた結果として至った狂気かもしれないが、
彼女がピンセットで摘み出す物とは、1mm角に刻まれたブラックチョコレートとホワイトチョコレートであり、
中央にはQRコードが組み上がっていた。
もらった男性はあまりの恐怖に叫び声を上げて逃げ出したとの事だ。
(405文字)
配偶者(・ω・)アイデア。
「(・ω・)そんで女の子は学年一の美女なのね。
昔からあるじゃん。そういうのウケそうじゃん」
「そこは410文字でかつSFチックだから、
『チョコレートが溶けないための冷凍室』
に比重を置くよ(・∀・)」
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