鋼こむらがえり落とし穴【毎週ショートショートnote裏お題】
トレーニング大好き自転車大好きな配偶者の、細長く見えるがよくしなる鋼のように鍛え上げられた身体に隠された欠点は、
毎夜のこむらがえりである(実話)。
「トイレ行きたいのに起き上がれないぃぃぃ」
と夜中に起こされた時点で慌てている配偶者をなだめすかし、引きつった足を動かす術を共に考え、両手を引っ張っては引きずり立たせ(小柄な私に運ぶ事は不可能)、どうにかトイレに間に合わせたりしている。
水分が足りていない。
長身であるがために腸が平均よりも長く平均以上に水分が内臓に吸収されてしまい、筋肉には残らない。
江戸時代までは身長が低かったとされる日本人だが、記録によれば180cm以上も伝説的装飾ではなくチラホラ見かけ切れる。配偶者の一族は皆高身長であり、話によれば配偶者の祖母が最も高かったという。
しかしながら短命だった。さもあろう。現代社会でもなければ庶民の女性が、その長身に必要なだけの食糧水分を入手できるものか。
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気をつけなはれや。フツーに。
ってか自転車に乗り過ぎやねん。
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