【創作大賞感想】はそやm『骨皮筋衛門』
感想記事全体の思惑:セブンソード的な試み
見出し画像に「お楽しみください!」
とあったからには、
全力で楽しませてもらおうじゃないか。
(まさかこのスタンスで臨まれているとは思うまい。)
初読時:約1時間
再読時:約1時間
変わり無し!
(文字数:約1400文字)
なるべくネタバレせずに話の流れ
名前に似合わぬポッチャリ。
慈愛に満ちた微笑みと涙。
ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン。
他には何も残らない!
この残らなさ加減に潔さを感じる。
端的に言えば、
悪と戦う骨皮筋衛門の、
活躍振りを描いた痛快娯楽小説。
徹頭徹尾脱力感に貫かれている。
重箱の隅をつつくのが大好き
何も残らない、
と先ほどまとめたものの、
HONEKAWAシステムを構築したのは、
根中くんかな、とか、
逆に怖いぞ骨皮家の技術、とか、
かぁくんでしたか。
あとごめんな。
構成員の一人に道を踏み外させたのは、
私のような腐女子だったようだ、とか、
ちょっとずつ心に留めておくと、
味わい深い部分はある。
そして「蚊ーニバル」の鬱陶しさ!
攻撃方法に支配手段の絶妙な不愉快さ!
まさしく夏場の蚊を象徴する。
強いて言うなら第九章で、
いきなり増えた4人の登場人物の、
キャラクター理解と、
第十章から第十一章の接続部分、
誰がいつ何の情報をどこまで持っていて、
いつの時点で共有したか、
この2点がすんなりとは読み流しにくかった。
あとは誤字脱字ルビの間違いが、
私が気付いた範囲で3つくらい。
しかしこれはかなり少ない方だと思う。
私はバグ潰しと点訳校正のプロなのでね。
つっつくよ(・∀・)キラーン
読み進め出したところでまさかの
第三章のタブを開き、
第三パラグラフまで読み進めたところで、
家のチャイムが鳴った。
来客も荷物が届く予定も無かったけどな、
と応対に出てみると、
家の扉前には誰もいない。
しかしクスクスと笑い声が聞こえる。
そっと玄関戸を開け覗いてみると、
アパートの地上階道路でたむろしている、
夏休みに入ったガキど……、
もとい少年たちと目が合った。
まさかのピンポンダッシュ!?
令和も6年になった今時まさかの!?
よりにもよってガキど、少年たちの眼差しには、
近所のおばちゃんが昼下がりに、
『骨皮筋衛門』を読んでいたタイミングで!?
怒って飛び出し追いかけようにも読んでいたのは
『骨皮筋衛門』。
「ピンポンダッシュをやられた時に、
読んでいた本のタイトルは?」大喜利なら、
おそらく上位に食い込むかもしれない、
『骨皮筋衛門』
そうだよ。おばちゃんはね。
あの時『骨皮筋衛門』を読んでいたんだよ。
うちの町はある意味帳面町と、
負けず劣らす平和かもしれない……。
特筆すべき事項
そう。本作品の舞台になっているのは、
何を隠そう帳面町だ。
犯罪発生率約0%
日本で一番幸福度の高い町。
痛快娯楽の端々で密やかに繰り返される、
それこそが筆者の願いであろう。
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。
何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!