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名探偵ボディビルディング過渡期【毎週ショートショートnote】

 往々にして名探偵は知性派とされ、武闘派的な振る舞いは、相棒役に任されがちである……
 と、言いたいところだがホームズしかりポワロしかり、謎の身体能力に武術の心得といった、本来の設定を越えて余りあるほどの実行力を、名探偵本人が兼ね備えているパターンも少なくない。
 のみならずアクション映画は大抵が、ヒーロー自ら探偵も行っている。しかもわりかしクレバーだ。なぜだか上手い具合に設置されている配管にコードを、とっさに巧みに利用して敵を撃退できたりもする。
 究極の知性は身体にこそ備わっているのかもしれない。
 ただし、ボディービルの定義を見直す必要はある。現時点におけるボディービルの到達目標は、あまりにも「(西欧文化的な)真善美とされる見た目」に偏っている。
 つまり「個々人が各々の適性や実力を発揮するために必要な筋肉」を「的確に」鍛えるという発想には乏しい。そこを突き詰めた者こそが今後真の名探偵を名乗り得るだろう。


(406文字)

お分かり頂けるかと思いますが論説風に遊びました。
本気に受け取らないで下さい。
あと目眩ましの一文に笑って下さい。

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