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親切な暗殺リアルガチ【毎週ショートショートnoteその2】

 夕飯時に配偶者にも訊ねてみた。
「『親切な暗殺』ってどんなだと思う?」
 するとごはんもぐもぐの後に答えてきた。
「遠距離からのヘッドショットじゃないかな」
「『ヘッドショット』という用語が即座に出てくるあたり流石は元実用射撃選手だな」
「貴方よくそれ言うけど、競技人口が極めて少ない上に、実弾で練習できるわけがない最弱国だったから出場させてもらえただけで、僕としては誉められた状況じゃないから」
「私は珍しい経験すげぇと思うんだが、その手段の『親切さ』について詳しく」
「プロのスナイパーに依頼すれば、多分音も聞こえないし痛みも感じない。相手に一切気付かれないという点では親切かなって」
「聞いていたら貴方の説明には決定的な語句は使わない親切さがあるな」
「専門の職業に就いていない限り、本来銃を人に向けるのは、逃げる手段や防ぐ手段や、そもそも危険に遭わない行動を尽くした後のいざって時だからね」
 以上です。参考にしたい方はどうぞ。


(409文字)

 相手に対する親切であって、
 依頼した側に対する親切を考えたら、
 また話は変わると思うけどね。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!