友情の総重量ドーリア式【毎週ショートショートnote】

　女性の友情は男性に比べて薄い、かのように、時に評されもするがそうではない。
「私、今日は学級委員の総会があるから」
「あ。じゃあ先帰っとくね。ありがとう」
　家が同じ方向なので、よく一緒に帰る友人が、どの曜日に習い事や塾を入れ、家族構成に何人兄弟かに並び順、家の中の雰囲気までをも、大まかにではあるが把握し合っているのが、女子というものだ。
　今日の習い事は母親が是非にと通わせているもので、遅れようものならひどく怒られるようだ、とか、
「ちょうど良かった。今日一緒に帰らない？」
　去年同じクラスで、今年は学級委員同士として会う彼女は、一生懸命に両親の仕事内容や趣味の洗練度合いを語ってくれるので、周りから煙たがられてもいたのだが、
「ああ。私こっち。じゃあね」
　自宅からはある程度距離を空けた所で手を振って、そこからは決して誰も近寄らせない事を、私は知っている。
　薄いのではなく、重いのだ。家族全員分の事情も乗っかって。

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