ハワイ移住生活記8 死体発見の話のつづき
今から10年以上前の話です。わたくしが住んでいるコンドミニアムのひとつ上の階の部屋で死体が発見されました。わたくしは第一発見者やったんですけど、事情聴取されることもなく、ポリスはそのまま帰って行きました。
なぜ!?
死体を発見してしまっただけでパニックでしたが、死体があったコンドミニアムのドアに内側からつっかえ棒がしてあったり、ポリスがそのまま帰ってしまったりして、さらにパニックです。第一発見者であるわたくしをポリスに会わせないってことは、あの管理スタッフのボスが犯人なのか?と、安もんのテレビドラマを見ているかのように頭の中が推理しまくります。
この話をすると、「で、どうなった?」とみなさまに質問されます。が、この話はこれで終わりです。管理スタッフとも会うことはなく、テレビドラマではないので、何も明快にならないまま、わたくしの前からこの話は消えてしまいました。
わたくしの部屋は強烈な臭い(死臭)に包まれ大変なことになりました。臭いが染み付いたので、衣類は全て捨てました。その日に着ていた衣類だけ身につけたまま、パソコンだけ持って外泊を始めました。住んでいられる状況ではなかったのです。
いろんなものを残したまま出てきてしまったので、管理費というか、手数料のようなものを請求されました。なんで、そんなもん払わなあかんねん!って感じですが、英語が話せないわたくしは、従うしか対応できません。っていうか、払ってでもその部屋を出て行きたい!
そこから2カ月ほどホテル暮らしをしたように記憶しています。もう少し短かったかもしれませんが、とにかく、わたくしはホテルに宿泊しながら仕事を続けました。ハワイ情報WEBサイトの編集記事をつくり続けたのです。
昼間は取材です。帰ってきたら、ホテルの部屋で記事をつくります。
死体を発見して怖くなかったのか? 怖かったです。上の死体は半年ぐらいそこでぶっ倒れていたようです。で、彼は、わたくしに見つけて欲しくて、なんやかんやと怪奇現象を起こしていたんですね。恐がりのわたくしは常に知らん顔をし、そしてとうとう体液が垂れてきました。
体液が部屋に垂れ、わたくしは死体を発見し、そして、その日から、わたくしの霊感は全開になりました(涙)
どこのホテルかは書けませんが、例えば、ロビーに座っていると、たくさんのお客さんがいらっしゃることがあります。あ、今日はお客さんが多いな、と思いつつ、そういえば、みなさんがわたくしの方をご覧になっていたことに気がつきました。
あれ?なんで見てるんやろ?
もう一度顔を上げると、ロビーには誰もいらっしゃいません。たくさんのお客さまはいなくなっていたのです。あの人たちは、ゆ、幽霊やったってこと? 全身さぶイボに包まれました。
そんな感じで幽霊を何度も見かけました。最初は幻かと思ってたんですけど、何度も何度も見るし、白人の幽霊もいたので、信じるようになってしまいました。もともと恐がりやったんですけど、見ても、びびるけど耐えられるようになりました。
新しい住居が決まり、幽霊を見る回数は減りましたが、知らない人が時々部屋の中に立つようになりました。知らない人というのは外国人の幽霊です。何度も見て慣れてきましたが、もともと恐がりなので、出る度にさぶイボに包まれておりました。
その新しい住居はアラワイ運河沿いにありました。水が多い場所には霊が集まる、と聞いたことがありましたが、本当にそうみたいですね。
数年後、わたくしの長男がハワイの高校へ通うために中学を卒業してから留学してきました。で、何故か、そこでわたくしの霊感?が移ってしまい、長男が幽霊を見るようになってしまいました。ううむ、かわいそうに。そして、わたくしはそれから幽霊を見なくなりました。ほんまの話です。すまぬ、息子。
現在も長男が幽霊を見ているかどうかは知りません。最後に聞いたのは、長男と一緒にハワイ島のヘイアウ(ハワイの神殿のようなもの)へ行った時のことでした。長男は、ヘイアウを歩きながら「焦げたような臭いがする」とか「人の気配を感じる」とぼやいておりました。いやあほんまに、自分の話でなければ笑えます。
話はもどって、死体発見の数週間後、何かの用事で会社の弁護士を尋ねた時のことです。弁護士に死体発見時の話をして、「警察に何も話してないんやけど良いのでしょうか?」と質問してみました。
弁護士さんは、話してもしょうがないと思うけど一応報告してみましょう、と言ってくださいました。チャイナタウンでランチをいただいた後、弁護士さんに連れられてチャイナタウンの警察署をたずねました。弁護士さんに通訳していただいて、死体発見時の話をしたのですが、結局、あぁそうですか、みたいな会話で終わってしまいました。死体が見つかっても何も騒ぎにはなっていなかったのです。
ニュースにもならず、騒ぎにもならず、ううむ。
誰かが迷惑や被害を受けて騒がなければ、警察もそんなに調べない。弁護士さんはそう教えてくださいました。日本とは違うんですね。
。。。。。。。つづく
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