ハワイ移住生活記43 ハワイ島サウスポイントへ行こう

わたくしの脳腫瘍摘出手術ですが、今はしなくて良くなりましたが、なくなったわけではありません。定期的に検査を受ける必要があります。でかくなったらすぐ手術。なので、しばらく日本です。ハワイ移住生活についてなんてことは書けなくなります。

というわけで、ハワイ移住生活はこれにて終了させていただきます。今までお読みいただいてありがとうございました。今後は、ハワイの歴史について書いてみようかと思っています。題しまして「ハワイタイムマシーンZ／太平洋のど真ん中で」

よろしければご覧ください。

さて、最終回。ハワイで一番好きな場所について書かせていただきます。

よく「ハワイで一番好きな場所はどこですか？」と聞かれます。いつも即答します。わたくしがハワイで一番好きなのは、ハワイ島のサウスポイントです。一番南。それについて書く前に、ハワイの歴史を簡単に書きます。

その昔、ハワイ諸島に人は住んでいませんでした。西暦300年〜700年の間に、赤道よりも南のタヒチからポリネシアンがやって来ました。エンジン付きの船も、海図も羅針盤もない時代です。すっかり陸地で生活するようになった現代人には想像できませんが、彼らは散歩するように海を動き回っていました。西洋人が侵略のために船で世界を動き回っていたのとは違い、彼らは遊びに出かけるように船旅に出かけていました。

いやいや、遊びに出かけるといっても、どこかに到着するまでに数ヶ月かかったりしますし、命がけです。でも、彼らはそんなに大きくない船で、太平洋を動き回っていました。そして、ハワイ諸島へたどり着きます。

「何言ってるか分かんねー」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。ハワイスクープで書いたことがあるので、よろしければご覧ください。写真と地図で説明させていただいてます▼
https://www.hawaiiscoop.com/?p=48369

地球儀で見たら分かりますが、ハワイ諸島は、本当に太平洋のど真ん中にあります。西洋人が船に乗って侵略しまくってた時代にも見つけられなかったほど孤立しています。そんな島々まで、彼らは小さな帆船でやって来ました。

ハワイ諸島で一番南にあるのがハワイ島です。彼らが初めて上陸したのがハワイ島かどうかは知りません。でも、そのハワイ島最南端のサウスポイントには、穴が開いた岩がいくつもあります。彼らはそこにロープを通して、船を碇泊させました。1500年以上前の穴がまだ残っているのです。

ハワイ島の南を走る11号線は、島の南側あたりでかなり内陸を走り始めます。そのあたりにはナアレフと言う小さな村があるだけです。現在は小さな村ですが、かつてはサトウキビ畑プランテーションで働く人々がたくさん住んでいました。「アメリカ合衆国最南端の町」なんて言われていますが、地図で見ると最南端よりもちょっと北にあります。

カイルアコナから向かった場合、11号線でナアレフにつく手前で、サウスポイントロードという標識が現れます。サウスポイントはサウスポイントロードをクルマで20分ほど降りたところにあります。

わたくし、この道も大好きです。緑の大地のど真ん中にあって、まっすぐ海に向かって降りて行きます。まわりに何もなくて、緑の牧場のような大地が広がっています。何もないのに、ラジオはバッチリ入ります。お気に入りの音楽を聴きながら、水平線を目指します。サウスポイントロードは、崖っぷちの手前で終わっています。

サウスポイントは、ハワイ島の一番南にある岬です。一番南なので、到着すれば見渡す限り水平線です。崖っぷちでは、ローカルの若者が真っ青な海へ飛び込んで遊んでいるので、それを見るのも楽しいです。歴史を知らなくても、絶景なので、そこへ行くだけでも満足です。が、わたくしはポリネシアンたちが造った穴の開いた岩があることを知ってから、毎回見に行っています。

穴の開いた岩は、若者が飛び込んでいる崖っぷちにはありません。そこからさらに南へ歩くと、小さなヘイアウのようなものがあります。そのあたりの海岸線は岩場です。そして、そのあたりの岩をよく見ると、直径10センチぐらいの穴が開いています。別に保存されてるわけではなく、ただただ普通にそこらにあります。1500年以上前に造られた穴だと思うと、ジーンとします。

穴はたくさんあります。なので、昔は港みたいな場所やったんでしょう。普通、港といえば入江に造られるものですが、まだそこまで分かってる時代じゃなかったのかもしれません。

わたくし、ハワイに上陸したのは2000年です。33歳でした。小さい頃から本は好きでしたが、歴史関係の本を読み始めたのは23歳くらいになってからのことです。33歳の頃、日本史にはかなり詳しくなっていましたが、世界史についてはあんまりでした。なので、ハワイの歴史もほとんど知りませんでした。モーハワイ☆コムをやり始めて、ハワイ史を知るようになりました。

初めてハワイ島へ行ったのは2000年4月です。何も知らない頃やったので、だだっ広いことには驚いたけど、また行きたい、とは思いませんでした。いろいろな取材をしてハワイ史を知った後、「行くべしハワイ島見るべしハワイ島」という本を出すことになりました。取材のため、クルマでハワイ島を走り回ってどんどん好きになっていきました。っていうか、歴史を知れば知るほど、ハワイが好きになっていきました。

何も知らなければ、サウスポイントはただ、景色がキレイな岬やったと思います。歴史というか、その場所についての情報を知るだけで、旅は素晴らしく有意義なものになります。ハワイ史について勉強してみると、ハワイ旅行はもっともっと楽しく満たされるものになるかも。

ということで、「ハワイタイムマシーンZ／太平洋のど真ん中で」スタートします！