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建築豆知識『金属工事』ーアルミ・ステンレス・メッキ・高耐食ー

アルミニウムの表面処理

アルミニウムは大気中で酸素と結合して自然に表面に酸化アルミニウムの被膜を形成し、内側のアルミニウムを保護するので耐食性が良いといわれています。

アルマイト処理とは、電解液で表面を強制的に酸化させ、自然の状態よりも厚く丈夫な被膜でコーティングすることです。
アルマイト被膜は、電解溶液中で半分浸透し、半分成長します。

アルマイトは、耐食性・耐摩耗性・美観性・絶縁性・放熱性に優れていますが、耐熱性が低く、加工すると割れたり、剥がれたりします。

硫酸皮膜(シルバー)

代表的な表面処理皮膜で、染色や電解着色の場合の母体皮膜となる。

自然発色皮膜(電解発色皮膜)

アルミニウム合金の材質及び電解条件の組合せにより発色させ、皮膜は日光堅牢度,耐食性とも優れています。(ステンカラー,アンバー,ブロンズなど)

電解着色皮膜

シルバーをベースにして二次的に電解し、着色し、皮膜は日光堅牢度,耐食性とも優れています。色調はブラック、ホワイトなど任意の色調が得られます。

複合皮膜(アルマイト+塗膜)

アルマイトの上に塗装するもので耐食性に優れています。


亜鉛メッキ

亜鉛めっきされた鋼板は、キズがついて鉄が露出しても亜鉛が鉄よりも先に溶け出し鉄の腐食を防いでくれます。(これを犠牲防食といいます)

溶融亜鉛メッキ

耐候性が高いが、薄物では歪が発生しやすい。

電気亜鉛メッキ

耐候性に劣るが、膜厚が薄く変形し難い。
屋外での使用は避けた方がよいですね。


ステンレス

ステンレスは、鉄にクロムやニッケルを混ぜた合金で、表面に不働態被膜と呼ばれる膜を形成し錆の発生を防ぎます。
クロムは鉄よりも酸素に結び付きやすく、鉄が酸化する前にクロムが酸化被膜となり表面を覆います。

ステンレスとは、ステン(錆)がレス(ない)ですから錆びないという意味で、厳密には錆び難い材料なのですが、もらい錆や塩化物などが長期期間付着すると錆びることがあります。
もらい錆とは、他の金属の錆が表面に付着したりステンレスの表面に付着した土埃の中の微量な鉄分の錆がこびりつき、あたかもステンレスが錆びたように見える現象です。
但し、もらい錆も放置しているとステンレス自体も錆びてしまいますよ。

ステンレスは300番台がオーステナイト系で、400番台がフェライト系かマルテンサイト系に分類され、主要元素は300番台はクロムとニッケル、400番台はクロムのみで300番台の方が性能が優れていますね。

オースナイト系は磁性なしなのですが、曲げ加工等の応力を加えると成分が変化するらしく、磁石がくっつくんですね。


高耐食亜鉛メッキ鋼板

ZAMとは、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)でめっきした鋼板のことで、耐食性が溶融亜鉛メッキ鋼板に比べて10~20倍優れているといわれています。

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛・シリコンでめっきした鋼板のことで、耐食性が溶融亜鉛メッキ鋼板に比べて数倍優れているといわれています。


軽量鉄骨(LGS)

一般の材料は溶融亜鉛メッキ処理がされていて一定の耐食性はありますが、浴室・プールなどの湿度が高く塩素濃度が高い空間ではステンレスやZAMやスーパーダイマ等の高耐食天井下地を使用する必要があります。

軽量鉄骨天井下地

天井フトコロが1.5m~3.0mの場合は、補強用部材で吊りボルトの水平補強、斜め補強を行います。

JIS規格ではありませんが、小部屋では天井に角型スタッドを使用する場合もあります。その際は最大スパンを確認して使用しましょう。

軽量鉄骨壁下地

スタッドの幅と高さの関係は
  50形:2.7m以下
  65形:4.0m以下
  90形:4.0~4.5以下
     100形:4.0~5.0以下

スタッドの間隔は  
  下地張りがある場合:450
  仕上材を直貼する場合:300


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