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配筋豆知識『柱』

配筋の基本ルールは、物件毎の構造図の配筋標準図によりますので、ここでご紹介するのは一例とご理解ください。

継手位置

  1. 一般階の柱主筋の継手位置  :  梁天から500以上、上階の梁下からHo/4以下

  2. 1階の柱主筋の継手位置    :  梁天からDかつHo/4以上、上階の梁下からHo/4以下

  3. 上限の高さは、圧接作業の安全性を考慮して1500以下とする場合もありますね。

Ho:柱の最大内法寸法
D  :柱断面の大きい方の寸法


定着

  1. 柱頭主筋の定着(中間階):梁上から400以上突き出す(L2かつ15d以上の場合もあります)

  2. 柱頭主筋の定着(最上階):梁にL2(L2h))上となりますが、梁せいが短くてL2(L2h))が確保できない場合は、柱頭補強筋と共に監理者と協議しましょう。

  3. 柱脚主筋の定着(中間階):梁下から400以上突き出す(L2かつ15d以上の場合もあります)

  4. 柱脚主筋の定着(最下階):基礎梁天からL2以上(一般的にベース筋に乗せる為に150以上水平に折り曲げます)


最上階の柱

  1. 四隅の柱主筋には180°フックが必要となります。フックは梁筋の落し込みができる方向に向けましょう。

  2. 柱主筋の定着(L2)が確保できず、四隅以外にも180°フック(L2h)を設ける場合で梁筋の落し込みが困難な時は、フック筋を重ね継手で後で挿入してよいか監理者に確認しましょう。

  3. 柱頭補強筋(かご鉄筋)や梁主筋拘束筋が必要となっている場合は、上部のかぶり厚を確保するために、柱主筋フック天端の高さを少し下げておく必要がありますので、事前に確認しておきましょう。フック位置を下げ過ぎると無筋部分ができてしまいますのでNGですよ。

  4. 柱頭補強筋が図示されていない場合は、日本建築学会「配筋指針」に参考例が記載されていますので、参考にしてみてください。

  5. 梁で水勾配を確保する場合は通りにより柱主筋長さが変わることにも注意してください。


カットオフ筋

  1. 柱脚カットオフ筋:梁上からHo/2+15d以上

  2. 柱頭カットオフ筋:梁下からHo/2+15d以上


帯筋(フープ)

  1. 柱脚第1帯筋:梁筋の上が柱脚第1帯筋になります。

  2. 柱頭第1帯筋:梁下コンクリート面が柱頭第1帯筋になります。

  3. 仕口の帯筋は柱部分と異なることがあります。仕口とは柱に取付く全ての梁せいが重なる範囲をいいますね。

  4. 最上階の柱頭に、拘束帯筋が指示されていることもあります。

  5. スラブ上の帯筋は、コンクリートの付着が確保できるようにコンクリート天端より50程度上げ配筋しましょう。

  6. 柱主筋を折り曲げる場合の第1帯筋は2重巻きになっていることが多いですね。


その他

  1. 柱主筋がX・Y方向で異なることがあります。伏図と柱リストの方向が違ったり、X軸方向・Y軸方向と勘違いすることがありますので注意しましょう。

  2. 柱主筋が寄筋になっている場合は、所定の間隔が確保できるように金物でしっかり固定しましょう。


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