旧MacでフルHD超え液タブを使用するにあたっての実験いろいろ
Macminiを入手してあれこれやっていた中で、先日買ったXP-Penの液タブ「Artist Pro16(Gen2)」との接続はどうなるんだろうと気になって試行してみた記録になります。
何かの参考になれば幸いです。
前置き
まず、液タブの詳細はこちらのレビューを。
ここでポイントになるのは画面解像度がWQXGA(2560x1600)という点。
フルHD(1920x1080)超えとなるため、古い環境だと対応していなかったりと使用に支障が出てくる可能性があります。
うちの現行絵描きマシンはRyzen4500/RX480/10.14(Mojave)でひとまず心配はないのですが…。
実験機の仕様は?
今回用意したのは、先日ジャンク入手して復活作業していたMac mini(Mid 2011)と、同じくジャンクとして入手した(ハードは完動品だった)Mac mini(Late 2014)です。いずれもOSはMonterey(12.6)、2011はOCLPを用いてインストールしています。
まずはMac mini(Mid2011)の仕様を見てみましょう。
最大解像度はSandyBridgeのiGPU(HD Graphics3000)で出せるMax値である2560x1600ですが、HDMI接続の場合フルHDまでに制限されています。
次にLate 2014の仕様はこちら。
「最大2台のディスプレイで2,560 x 1,600ピクセル表示をサポート」とありますが、HDMI/60Hz表示の場合はフルHD制限がかかっていそうです。
多くの液タブの場合、入力ポートはHDMIのためそのまま接続してしまうと上記の制限に引っかかってしまい十分な性能を発揮できない、といったことが起こり得ます。
実験です
上記のことを踏まえ、ちょっと古めのMacで2.5K作画環境を作るにはどうすればよいか試行錯誤してみることにします。
まずは何も考えずに液タブのみHDMIポートへ接続。
Mid2011の結果はこう。
フルHDでの接続になっています。
次にLate2014の結果。
んんん?何かいけちゃってますね…。HD Graphics4000が4K対応した副作用とも言われていますがちゃんと表示できてしまっています。
次にマルチモニター化。HDMI側はフルHDモニター(EV2451)・液タブとはThunderbolt2(MiniDisplayPort)-HDMI変換で接続します。
Mid2011
Late2014
残念ながら両者ともフルHDとなりました。
キーはDP-HDMI変換
そんなわけで液タブの使用条件を満たすには「液タブ側はHDMI入力だが出力はHDMI以外で行いたい」ということになりますが、何も考えずにDP-HDMI変換をかけるとMac側からはHDMI接続と認識されてしまう、というのがクリアすべき問題点になります。
ここでキーとなるのが変換の方法。
実はDP(DisplayPort)-HDMI変換には2つの方法があります。
1つ目はパッシブ変換。現在のDPにはHDMIの信号も流されており(デュアルモード)、この信号をそのままHDMIポートへ流すやり方です。
複雑な回路が必要ないため、安価な変換アダプターはこちらのタイプが多いようです。
2つ目はアクティブ変換。変換回路でDPの信号をHDMIへ変換して流します。
以前入手したGT730がこのタイプでしたが、古いWS用のグラボ等HDMIの信号が出ていないもの(シングルモード)はこちらの使用が必須。
アダプターの価格ががやや高めになるのと、わずかながら(多分フレーム単位の)遅延も発生するといったデメリットもあります。
結論としては、上の実験で使っていた変換アダプターがパッシブタイプだったためHDMI接続と判定され、フルHD制限に掛かってしまったということになります。
原因はわかったので、まずは手持ちのアクティブDP-HDMI変換アダプターを使ってみよう…と思ったのですが接続元はMiniDPなんだよなぁ、てなわけでMiniDP-DP変換アダプタ(これは配線変換のみ)を手配。
二重変換でかなり不細工なことになってますが接続はこんな感じにします。
結果、液タブの接続はバッチリWQXGAで表示。システムレポート上はDisplayPortとして認識されていました。
HDMIポートにモニター接続したマルチモニター環境でも問題無し。
手持ち機器で確認が取れたので、MiniDP-HDMIへ直接変換できるアクティブタイプのアダプターを探します。
で、購入したのは↓こちら。ここで紹介されていた製品で接続実績もあるっぽいのが決め手でした。
購入時の注意点は、上記の通りアクティブ変換タイプで4K対応のものを選ぶというところでしょうか。(1080p表記のものはおそらく駄目です)
こちらのアダプターでも、結果は同様にWQXGA/DisplayPort接続となりました。
試しに以前入手した例の3000円MacBook(MBP2008)でも同様に接続してみたところ、こちらでもWQXGAでの表示はOK。
同時期のiMacの仕様を見ても同じような記載があったため、Thunderbolt2(MiniDP)装備のMacであれば概ね2560x1600表示はできると思われます(全機種の仕様を確認したわけではないので注意)。
4K液タブを使いたいのであればMac側のハード更新必須ですが、2.5Kまでなら古い環境でももう少し引っ張れそうです。
おまけ:HDMIリミテッド問題は?
MacのHDMI出力はリミテッド制限がかけられている、というのは良く知られている話のようで、M1 MacではTB出力時にも制限がかかっていた件が問題になったりしていました。
DP-HDMI変換でその影響はあるのか?というのも気になったので軽く実験しておきました。
適当に黒画面の一部を明度10,16のグレーにした画像を用意、表示させてみます。表示先はどちらも液タブです。
現行絵描きマシン
Macmini2011(DP-HDMIアクティブ変換)
明度10の方はちょっと厳しいか…?という感じですが、2011の方は色調未調整でもあり改善のできそうな気が。
他に画像表示等もしてみましたが、ぱっと見色調が大きく崩れている感じもなく作業には問題なさそうです。
(2023/12/18追記)
Mac mini (Mid 2010)を入手出来たので上記と同様にDP-HDMI変換で試してみたところ、Mac側からはDP出力となっているにもかかわらずフルHDまでしか使用できない模様。仕様ではWQXGAまでいけるはずなのですが謎です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?