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顔という臓器

以前触れた己が抱える容姿コンプレックス、それが培われた背景や現在の状況について。
別にもともとユーモアがあったりウィットに富む会話ができたりとかするタイプの人間では無いし、吐き出す文章だってさして面白くないけれど。自分みたいに嫌な拗らせ方をしないですこやかに育つガキが増えて欲しいので少し書いてみようかなと思い。
まあここでチマチマと文を紡いだとて届いて欲しい人間には届かないとは思いますが。

私の精神の不健全さ、というかどんなに取り繕っても滲み出る歪みを、私のこれまでのnoteを読んできた人間の皆様は感じていますでしょうか?
正直かなり歪んでる自信がある。私は他人の容姿にめちゃくちゃ厳しい。街中で異様に汚い身なりのオタクとか、饐えた臭いの漂うデブとか、すっぴんでロリータ着てる女人を見ると死ぬほどイライラするから。自分とは無関係なはずなのにね。
で、この歪みの最大の要因が何かっていうと自分の容姿に抱えるコンプレックスなわけでして。

小学校高学年の時点で自分の容姿は決して優れてはおらず、むしろ平均点以下というのはうっすら理解してた。小学4年からバレーボールやってたんだけど、チームメイトの男子から女バレブスランキングなるものを作成されて1位になってみたり、練習後のモップ掛け時にすれ違いざまにブスって言われたりしてたから。加えて親にも幼少期から「爬虫類みたいな顔」だの「プリクラを通してもブス」だの「保毛尾田保毛男に似てる」(これはマジで自分でも似てると思うので気になった方は是非調べて欲しい)だの言われまくってたし。でも親が嫌いとかは全く無くて、早いうちから"ヨコサワナツミはブサイク"って気づかせてくれてありがとね〜!という感謝の気持ちしかない。
まあでも唯一嫌だなって思ってたのが思春期を茶化すタイプの親だったことか。はじめて自分で色つきリップ買った時に色気づいて〜wとか言っちゃうタイプの親だったから。そのひと言でもう"はじめて化粧品を自分で買った"ことに対するちょっぴりの自信とか、かすかな高揚感みたいなのが一瞬でしぼんじゃった。本当にキモい発言だったと思う。仮に自分に子どもが生まれてもそんなこと言おうとは思わないので発言の意図は1ミリも理解出来ないし、今でも化粧してると素のままのあなたが一番だよとかクソ寒いセリフを平気な顔で吐いてくる。マジで勘弁ですよ。素のままで勝負できるルックスだったら人生苦労してないから。大体にして素のままの私がブスだって気づかせてくれたのはあなたじゃないですか。後出しジャンケンの綺麗事が一番最悪でしょうよ。それでも親のことは大好きなのですが。

といった具合で幼少期から絶えず続いた親や男子によるブスイジりで受けたモヤモヤというのは、思春期を経て大学生になり、かなり見た目を気にするようになってからもどこか拭いきれてない。というか精神の根っこのかなり重要な部分を形作っている。
埋没やら美容医療やらダイエットやらをポツポツと続け、昔よりも多少はマシな見た目になったとはいえ、未だに人と正面で顔を合わせて会話する時は、自分の顔で相手を不快にさせていないか?今変な顔をしてないか?と不安になり会話に集中できない。これは大真面目な話です、集中してない時が割とある。
街中のショーウインドーとか車の窓とか、鏡みたくなってるとこで自分の顔を確認するの、毎回やっちゃうんだけど、なんでかわかる?別に自分の顔が見たいとかじゃなくて、今変な顔してないか?周りに不快な思いをさせる見た目になってないか?を確認してるの。わかるかな、この自分でも気持ち悪いと思ってるけどやめられない習慣。

そんなこんなを積み重ねてきた結果、整形をアップデートと呼び、口癖が"整形した〜い♡"のまさに容姿コンプマシマシ妖怪が爆誕してしまった、というわけです。親からしたらとんだ悲劇ですね。いや周りからしたらこんな面白妖怪の誕生はむしろ喜劇なのかもしれませんが。
そして容姿コンプというのは厄介なことに全く大丈夫な時とそうでない時と波がありまして。その波がかなりデカい。サーフィンが出来てしまうくらいデカい。大丈夫じゃない時はもう何をしても大丈夫にならない。自分の顔が気持ち悪くて気持ち悪くて仕方なくなる。ゴブリンとかオークジェネラルの方が可愛いじゃん!モンスター以下の私って何?!みたいな。そんなことないよ待ちとかではなくマジで精神がヤバくなる。そういう時はもうどうしようも無いので美容整形外科のサイト見てアプデ構想練ったり実際カウセに行ったりして鎮めて。こっちはいつだって顔変えようと思えば変えられるんだぞって。つまりツイッターでカウセ行ってきました!報告してる時は大抵コンプレックスの波に飲まれて情緒がめちゃくちゃなタイミングです。すみません、いつもいつも。

そしてこの、自分の容姿が異様に気になる、が他人の容姿に対しても発揮されちゃうから、最初の方で言ったみたいに無関係の他人に苛立ちを感じてしまうのかな〜と思う。
良いじゃん好きに生きればっていう気持ちはもちろんある、てか普段はずっとそう思ってるし。そもそも見知らぬ他人だし。でもなんだろう、自分が普段からジムで筋トレしたり汚ない肌を綺麗にするために大量のサプリとか漢方飲んでたり高い金かけて整形とか脱毛とか日々のメンテナンスしたりとか、あげたらキリがないけど私はめちゃくちゃ色々やってるのに。自分より何もしてない人間が楽しそうに生きてるのがたぶん羨ましくて妬ましくて仕方ないんだと思う。私なんて金かけて色々やってやっと人並みに外を歩けるレベルなのに、お前たちはそんなの歯牙にもかけず自由に生きてて素敵だ、羨ましい。完全に嫉妬だ。私が今色々やってるのも全部自分の意思なのにね。
自分の本意はどこにあるのか分からない。別に努力することも、その結果をもって可愛いって言ってもらうのも嬉しいし楽しいからこのままで全然良いけど。でも見た目を一切気にせず生きてみたいとかはある、絶対無理だろうけど。ルッキズムの長だし。

いつこの歪みから解放されるかは自分でも全然分からない。もしかしたら死ぬまで解放されないかもしれないが。まあ良いんです、自分のことは。なんか自分の精神を形成してきたものについて文字に起こせたからかなりすっきりした。ここまで自己満オナニー文を書いてきたのに読んでくれた人、いるか分からないけど読んでくれてありがとう。

またねっとり系自分語りを長たらしく書いてきて、しかも明快なオチをつけられないのが心の底から申し訳ないのですが。
これを読んだ方の中に将来女の子が生まれる方がいると仮定して。真面目な注意喚起をさせていただくと、容姿を貶すような言葉だけは本当に掛けないであげてほしい。どうか後生ですから。こんな全ての歪みを体現したようなクソキモい妖怪は私ひとりで充分なので。
どうかこれから生まれてくる子どもたち皆、素敵な言葉だけを贈られてすこやかな自意識が育ちますように。私からの呪いの言葉です。

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