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間違いに気が付く夢

借りている家を更新することになっていた。

それなのに、どの家に住んでいたのか、

私は良く分からない。

家を更新する前に何故か、

私たちは家族で

以前住んでいた家を見に行くことにした。

でも、私はその家の事も思い出せない。

道の途中で、

何となく見たことがある景色だと思いはする。

路地裏で、

いつか来たことはあったな、

なんか嫌なことがあった気がするな、

と思う。

以前住んでいた家のある建物の前まで来た。

どこか田舎の様な所で

その家はちょっと物々しい柵に囲まれている。

その柵の向こう側に

洗濯ものを干している管理人さんの姿が見えた。

夫が声を掛ける。

その人の顔を見て

私はようやくここでの生活を思い出す。

3家族の家が

何故か階段や廊下を通じて繋がっていて

暮らしている間も

家の中の構造が私にはどうしても理解できなかったのだ。


ある時は階段を昇ったら

管理人さんの家に入ってしまって

見つからないように

別の階段を降りたら、

今度は何故か小学校に着いてしまう、というような

そういう感じの迷路のような家で、

夢の中の記憶だった気もして来るし、

把握し切れないから忘れていたのだ。


広い芝生の庭に入り、

夫は管理人さんの手伝いをしている。

大量の寝具をセッセと干している。

私はぼんやり見ていたが

結局手伝わされる。

ビショビショで重いタオルケットを

何枚も渡され、ヨロヨロしながらも

どうにか干した。


気が付くと、柵の外の景色が先程とは変わっており、

寂れた商店街になっている。

『こんな寂しい場所にお客さんは来ますか?』と私が聞くと、

『何言ってんの。今時みんな、暇なら中でインスタグラムで発信しているよ。お年寄りもみんな。』

と、スマホを操作する手つきをしながら言う。

そして更にこう言った。

『私も一昨日から始めたの。入居者募集したくて。

フォロワーが15万人になった。万歳。』

と言うので、私はたまげて、

『ええー、凄くないですか??』と聞き返すと、

『何言ってんの?みんなそれくらいは当たり前でしょ?

あのお店のアカウントだって、そこの店だって

それくらいは、いっているよ。』とつまらなそうに

ボロボロの豆腐屋や酒屋を指しながら言われる。


その豆腐屋も酒屋も、人の気配すらしなくて、

一体どうなっているんだろう?と

自分のアカウントのフォロワーの数を思いながら

居心地が悪くなる。


帰り道に、私は息子をおんぶして歩いている。

歩きながら、更新する家の事をやっと思い出した。

そしてその家に向かって歩いて行くが、

家の前まで行くと、

その家は廃屋になっていた。


行く当てもなく、

夜中の道路をさ迷いながら、

沢山の人が集う場所に着く。

何のパーティーか分からないが、

そこはパーティーをしている。

息子と少しの間滞在するが

何か違うと思って、

息子の帽子を床から拾って被せてから、

おんぶして後にする。


私は路上で気付く。

この帽子は息子のではない。


パーティー会場に戻って、

間違えた帽子を戻して、

正しい方の帽子を被せたら

目が覚めた。




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