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ラーメンが落ちた音

人事になって日が浅いときのこと。
人事のつながりが少ない私に、心優しい同僚が人事経験のある前職同僚(Aさんとする)を紹介してくれ、Aさん・Aさん会社の人事責任者・エンジニア採用担当者の方々とオンラインでお話しする機会をいただいたことがある。

そんな貴重な時間でのできごとだった。
「ガッシャーン、シャンシャンシャン…..」
突如4人のうち1人のマイクで、軽い金属材質の何かが床に叩きつけられたような激しめの音が拾われる。

なにかリアクションせねばと謎の使命感に駆られた私は、思わず、「すごい、ラーメンが落ちたような音がしましたけど、大丈夫ですか?」と、人と人とがコミュニケーションするうえで大事なあれこれがごっそり欠落した発言をしてしまった。
正しくは、アルミ番重のことを言いたかったのだが、そもそも中華麺の入ってるケースはアルミでもなく、ポリプロピレン製の「麺コンテナ」と呼ばれるものらしい。そう、色々とまちがっているのだ。

全員大人なので、若輩者が意味不明な発言をしても小さく笑ってくれたが、さすがに私も自分が変な発言をした自覚はあり、急ピッチで別の話題に切り替えた。(もしかすると、「ラーメン」という実際生じた音とは一切結びつかないワードを、他に解釈の余地のある言葉にうまいこと脳内変換してくれたか、あまりにも激しい湯切りの音か、はたまたラーメンの器が落ちた音と解釈してくれたかも、という淡い期待も心に忍ばせつつ)

後日、Facebookで友達リクエストを送ってくれたので、悪い印象は持たれなかったのかもしれないし、単に社交辞令かもしれない。きっと後者だろう。

大人の世界、勢い任せの発言は自重せねばと強く反省した。
麺コンテナの存在をしれたことはよかった。ポリプロピレン製。

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