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▱鎖骨骨折記4日目 4/9 クラビクルバンドⅡ改造

横になって寝られない

不便さが増した暮らしを改善すべく色々と工夫をしている。
横になって寝ると起きた時に体が裂けるような痛みに見舞われるので座って寝ているが、壁に背を預けていると当然背中が痛くなってくる。これは登山用のマットを背当てにすることで解決した。
ちなみに起きた後、身を捩らせてベッドから下りるのも時間が掛かる。仰向けの状態から起き上がる方が遥かに時間と勇気が要るのでこれは我慢することにした、手術すれば解消するだろうと楽観して。

拷問のクラビクルバンドⅡ装着

身延で処方された固定帯(クラビクルバンドⅡ)があまりにも装着しづらく、こちらの方が多大な労力を要した。しばらく休んで良い事になったので幸いにも着け外しは入浴のタイミングだけで済んだ。

この固定帯は主に保存療法に利用されるものである。
両肩に掛けて腕を通し、両脇の後ろ辺りから締め上げる構造の物で、完成するとたすきの様な形になって自然と胸を張る姿勢ができる。着けるとやや苦しい反面身体のぶれが減るので痛む機会も減らせるという代物である。

装着の手順
①折れた側の腕は規定位置に固定したまま腕を通す
②無事な方の腕で脇下のベルトを背中の角カンに通す
③通したベルトを脇下から前に引きベルクロで固定する

こう書けば簡単そうに見えるが、この締め上げるためのベルト長や位置が絶妙な厳しさで、手順②と③を非常に困難なものとした。
そもそも②の角カンの幅に余裕がなさすぎてベルトを通せないし、よしんば通せたところで頭くらいしか出てこない。③の手順に移行しようと脇を緩めると抜け落ちてしまう。これを延々と繰り返す。癇癪ものである。
操作は背中側で行うためもちろん見えない。肩回りは背中で握手できるくらいに柔らかい方だが、何度か背中が攣りそうになって装着を断念するほどだった。一連の行為は拷問に思えた。

クラビクルバンドⅡ改

クラビクルバンドⅡ、これを作った本人に鎖骨を折った状態で装着したことはあるのかと問い詰めたくなる逸品だ。初代の装着はこれ以上の困難を伴ったのかと思うとくらくらする。ぜひとも次のバージョンでは初めからループを通してあって手元でベルトを引けるように改良されてほしいものである。
後で知った事だがそもそもこれは一人で装着するものではないらしい。ウェブを覗くと装着に難儀したという鎖骨骨折の先輩方の涙ぐましい奮闘記がわんさか見付かった。

結局クラビクルバンドⅡは一人で装着できるように引手を延長した。
かんじきのベルトを自作した際に大量のパーツが余っていたので本格的な改造を施しても良かったのだがそんな元気も起きなかった。先端を斜めにカットした色違いの引手だけ適当に縫い付けて終わりにした。

引手を延ばしたクラビクルバンドⅡ改(背中側)


他にも先達の知恵によるとげに恐ろしきカテーテル抜去の儀式をおむつに代替して回避する策があるらしい。入院のしおりにあった病院で使われている型番のものがAmazonで売っていた。しかもタイムセールだ。翌日届いたものを嬉々として病院に持ち込んだが、このおむつ(というか尿パッド)は病院の方で用意したものを使用し別会計となった。
結局未開封で今は洗面台下の戸棚の中にある。ノロにでも罹ったら活躍してもらおうと思う。


トップは先日ひよどり山で見たオトメスミレ。
スミレ科の同定は難しく、春は毎年苦しむ。

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