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▱鎖骨骨折記18日目 4/22、23 登山再開

4/22

天気も悪くこの日も無為に過ごす。起き抜けの調子が良くなってきたし、首筋のつっぱりも徐々に緩和されてきた。
しかし右肩側面の(僧帽筋?)の痛みや切開した部分のしびれのような痛みは継続している。触るのも怖い。
この折れた方の腕を多少なりとも動かしていく方が良いのか、大人しくした方がいいのか、細かく主治医に訊くべきだった。
この日はあまり眠れなかった。睡眠時間がめちゃくちゃになっている。いい加減右腕で物事が行えないことにストレスが溜まってきたようだ。



4/23 登山再開

体力はそれなりに戻っているようなので山に行く事にした。
前回中断した思親山ではまだカタクリが見られるらしいというのだ。ルートは整備の良さで知られる東海自然歩道と林道歩きのセットなので様子見にはうってつけという都合の良さも後押しした。
正直な所不安は大きいが、鎖骨が折れた後どのくらいで山に行って良いかなんて基準もないので自分で歩いてみる他ない。最悪動けなくなっても誰かは通るだろう。

東海自然歩道を歩く。道はすこぶる良い。


始発で出発し、南アルプス前衛のひんやりとした空気と澄んだ視界の中歩き始めた。じきにリュックの右側ストラップが折れた箇所に当たり痛みはじめる。我慢できないので左右どちらかの手でストラップを宙に浮かせながら歩く羽目になった。序盤の車道歩きが終わらないうちに体力面の心配はすっきりと失せて、代わりに指や腕の筋肉が悲鳴を上げないかという事ばかり考えるようになってきた。
それでも骨折してから16日ぶりの山だ、楽しくないわけがない。出来心からちょっとした藪道にも突入した。道のない山を急登降、どう動けば痛むのかよく分かった。荒療治も悪くない。

山桜と富士 思親山山頂にて

実は山歩きの区間は3kmほどと全体の行程からするとかなり短めであるが、それでもニリンソウやお目当てのカタクリといった春の花、それに新緑まで楽しめた。コバイケイソウの葉に散った桜の花弁などは感動ものであった。そして山頂に立つと桜と富士山というこれ以上ない絶景が待っていた。これだから低山はやめられない。骨折で一時は遠のいたと思っていた春に追い付けた。
来られてよかった、と思えれば肩の痛みを押して登った事など何のことはない。にこにこしながら林道を歩いて内船駅へ下りた。

佐野峠にて前回骨折して下りてきた所を振り返る

課題は残るがとりあえず山には登れることは確認できた。
注意すべき点は不意に身体を捻らないようにすること、下りはバランスを崩さないようにすることである。これらを怠ると折れた辺りに痛みが走るからであり、かつこれは骨折直後に体得したこととほぼ同じであった。ただ、固定されているので今回の方が痛みは幾分穏やかなものだったので活動はしやすかった。かといって山野草を撮ろうと地面に這いつくばるような動きは非常に厳しいものがあり、何度も悶絶する羽目になった。

なお、手術をしたからといってすぐにザックを背負えるようになるという訳ではない。身のこなしは日常生活でも気を付けるべき点となるため否が応でも慣れざるを得ないが、ザックを背負う事には全く順応できなかった。最後の方には横着して折れた方のザックの肩紐を肩の外へずらして掛けて歩く事すらした。いずれにせよ正攻法では山には登れないという事は学んだ。メインザックを背負えるようになるのは何時になるのだろう。

登山おかわり

日向山山頂に建つ仏舎利平和塔

と、色々書いたが体力面は問題なさそうだったのでもう一本組んであった山行に臨んだ。鎖骨の手術くらいでは体力は落ちないようである。

山日記
・春は過ぎたか、思親山

・日向山、白亜の塔と富士川めぐり


トップはカタクリ。
迷彩柄の葉にこの顕著に反り返った花弁である。好きにならない理由がない。うちの周りには名所がいくつかあるのに今年は思親山でしか見られなかった。

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