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ピッチパーフェクト

[ネタバレ含みます]

公開 : 2012年9月28日
監督 : ジェイソン・ムーア
ジャンル : ミュージカルコメディ

ミュージカルってだけで惹かれるものがあるんですが、これも例に漏れず好きな感じでした。

映画だから誇張されてるとは思いますが、アメリカの大学ってこんな感じなんですかね?ビッチ、ファックは飛び交うし、大っぴらにセックスって単語が使われるのにビックリしました。まぁ、全部同じか。恋愛とか性に対する考え方が日本とはだいぶ違うよなって思いました。

劇中ではアメリカの実力主義社会の構図が描かれているように感じました。変で上等、キモがられても貫き通して周りを認めさせてやる!っていうハングリー精神がないと生きていけない。私がその中に放り込まれたらと考えたけど、きっと部屋から出て来れなくなるでしょうね…
「自分」を持っていないと淘汰されてしまうという恐怖心から他人を排除してしまう登場人物たちの葛藤がうまく描かれていたと思います。
主人公のベッカ達はそのままじゃいけないと気づき変わることができましたが、トレブルメイカーのバンパーは最後まで自己中を貫き、大事な大会の前にスカウトされチームを去るものの大会では1ミリもバンパーがいなくなったことに触れられていませんでした。そこが滑稽でよかったですね。トレブルメイカーのバンパーというブランド力でチヤホヤされていることに気づかず横柄な態度を取ってかっこつけている気持ち悪さも最高でした。

それぞれの心の壁を壊すシーンではブラックミュージックが肝になっている気がしました。R&Bやヒップホップは自分の置かれている状況に対する不満だったり怒りだったり、感情をありのままに表現する音楽で、古い価値観にメスを入れ分たちの居場所を作ってきた音楽でもあります。
リフオフでのベッカはblackstreetのラップを披露して最初こそ引かれるものの、そこから和が広がっていきます。ベラーズがみんなの本音をぶちまけた後オーブリーがブルーノマーズの「just the way you are」を選ぶ場面では、伝統を守るためにベラーズが歌う曲は絶対に女性の曲と言っていたのにオーブリー自らルールを破ります。決勝でトレブルメイカーは最後b.o.bの「magic」を歌いベラーズのJessie J 「Price Tag」につながる訳ですが、この曲 Feat.B.o.Bなんですよね。つまりトレブルメイカーとベラーズの間にあった根深い対立も音楽を通して隔たりがなくなっていくことを意味してる訳ですね。恐らく。

音楽の知識が全く無いし、アメリカで当時何が流行ってたとか歌詞の意味とか何で使われてた曲とかが分かればもっと楽しめたのかなーと思いちょっとくやしかったです。続編もあるみたいなので見てみようと思います。バンパーのその後が気になります。


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