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オーシャンズ8

[ネタバレ含みます]

公開 : 2018年6月8日
監督 : ゲイリー・ロス
ジャンル : コメディ・クライム

オススメしていただいたので見てみました。

犯罪エリート集団の華麗なる活躍といったところでしょうか、犯罪ものっていうんですかね?こういうのって暴力的だったりアクション中心だったりするかと思うんですが、今作の場合は緻密に計算された頭脳プレーが爽快でした。

VOGUEが主催するメットガラがメインの舞台となっており、最初メットガラって言われてもピンとこなかったんですが、階段のシーンを見ているときに何か見覚えあるな〜と思ったら、毎年セレブが奇抜なファッションで話題になってるアレのことだったんですね。去年のルックで私が覚えてるのは1DのハリーのレディーススタイルとエズラのEYEメイクですね。生首持ってる人もいましたね。これが分かるといかにこの舞台がセレブ達にとってステータスとされているか、今後1年の評価に繋がると言っても過言ではない重要なイベントであるかということが理解できます。

メトロポリタンの下見の場面でバンクシーの作品がゲリラ展示されるというシーンがありましたが、あの元ネタはエマヌエル・ロイツェの〈デラウェア川を渡るワシントン〉とドラクロワの〈民衆を導く自由の 女神〉と思われます。デラウェア〜の方はアメリカ独立を描き、民衆〜はフランス革命を描いています。船を漕ぐ人物は女性に変えられていました。アメリカ人の女性たちの漕ぐ船=オーシャン達、にフランス人女性=フランスのブランド"カルティエ"のジュエリーであるトゥーサンが乗っているという構図になっており、これはバンクシーの絵ではなくオーシャン達のセキュリティチェック兼犯行声明であるということなんでしょうね。

今作の物語は「ナインボール」がキーになっている気がしました。ひとりだけ偽名っていう設定もちょっと意味深でしたね。なぜ偽名なのかは謎でしたが、ビリヤードの複雑な玉の軌道とネットワーク回線のイメージを重ね、9番を確実に落とす様をハッカーに見立ててるのかなーと思いました。というかオーシャンズのメンバー達をビリヤードの球に見立てることも可能ですよね。それぞれが順番に役割を遂行し確実にターゲット(トゥーサン)への道を作っていく感じがナインボールのルールを彷彿とさせます。このトゥーサンの名前の由来は一人の女性から来てるらしいので9人目のメンバーと考えたらさらに胸熱です。
そしてこのナインボール、リアーナが演じてるんですよね…見終わってから知りました。リアーナってあのリアーナ?!ってめっちゃびっくりしました。名前と曲は知ってるけど顔見たことなかったーって思ってたんですがVOGUEのメイク動画見たことありましたわ。最後のドレスアップのシーン綺麗すぎて巻き戻して見たりするくらい目を惹かれたんですが納得です。

アンハサウェイが美味しい役どころでしたね。リアルでもちょっとした言動が取り上げられて周囲から嫉妬され、辛辣な評価をされがちのイメージがありますが、ここではその雰囲気を逆手にとってとてもチャーミングなキャラクターに仕上がっていたなーという印象でした。
ヘレナ・ボナム・カーターの雰囲気大好きなので落ち目のデザイナーという悲壮感漂う感じ最高でした。どうしてもティムバートンの雰囲気に引っ張られるというか影がチラつく感じは否めませんね。メットガラのシーンでは白いドレスと奇抜な花冠とサングラスっていうこれまた私のめちゃくちゃ好みのルックで興奮しました。
スリ師のオークワフィナの飄々とした演技も良かったです。彼女は最後youtuberになってたんですかね?中の人も2012年にyoutubeでmvが注目されて人気が出る様になったみたいです。
この辺の人たちはキャラクターとリアルがリンクしている気がしました。当て書きなんですかね?他の人ももしかしたらこういうリンクしてる箇所があったのかもしれないですが今の私には分かりませんでした。

年代や育ってきた環境がバラバラの8人が対等な関係で接しているのがいいですね。最後仲良くなって全員でバカンスとかではなく、それぞれの人生を謳歌しているシーンなのもしっくりきました。

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