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肘井「読解のための英文法が面白いほどわかる本」の利用法?

以前、「肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編」という本を息子の教材用に買ったことを書いた。

当初の計画では、年内に大岩の超基礎英文法を2周して肘井に入り、高2・1月進研模試までには1周するということだったが、大岩を1周すらできていない(関係代名詞whatに躓いているようだ。2回している部分はある)。想定以上に時間がかかって計画が遅れたというならまだよいが、机に向かえてなくて遅れているので問題だ。本人にやる気を出してもらうしかないが、そのためには短期的な成果を上げてもらうのが一番だ。

短期的な成果を上げるという観点からは、肘井はあまり適当ではない(というか、そもそも英語長文は短期的成果を上げにくい。)。例文、問題ともに1文2〜3行の文しか掲載されておらず、テーマが分かっている中でこの程度の文の構造が分かるようになったからと言って、長文が劇的に読めるようになるものではない。
肘井は、結局のところ、こういう場合があります、ああいう場合もあります、こうやって識別できますということを列挙しているだけだ(英文読解の参考書は究極的にはどれもそうだ。)。
前半かなりの部分を費やしている「○○節(句)で英文が読める」といった部分は、英文を読むためには必須のことではあるが、覚えれば利用できるという類のものではなく、英語学習全般のなかで体得していくしかないものだ。その次の識別編は識別のノウハウが整理されているが、そこでいうノウハウはすべて、無意識のうちに使えるほどに体得しなければならないものだ。そして、体得には実践あるのみで、肘井の本の例文や練習問題だけではまったく足りない。
他方、構文編以降では、しばしば問われる事項がまとめられているが、ここにまとめられた事項をすべて身につけないと、次の長文の段階には進めないという類のものでもない。

このように、前半部分は英文を読むために必須の事項であるが、肘井をやり込んだくらいでは身につかず、後半の知識部分は身についてなくてもある程度長文は読めるというならば、肘井は一読するくらいで(完璧でなくても)早々に終えて長文演習に入ってしまい、実践を積んでいくのがよいだろう(知識はその都度補充すればいい話だ)。1冊ずつ段階を踏んで仕上げていかなければならないという先入観は、動画チャンネルの参考書ルートの弊害で、柔軟な利用の仕方をしてもいい。肘井は、長文演習をある程度やった段階で読み返してみれば、超速で終わるだろうし、得るところもあるだろう。

では、肘井の次に長文問題集として何をするべきかと言うと悩ましい。動画ルートの参考書ルートが示す長文問題集は、文章が長くなるし、どちらかというと文法よりも英文の内容に寄っていて(設問が設けられている)、いきなりは取り組みにくい。かと言って、英文解釈の技術シリーズや入門英文問題精講をやるのなら、最初からこっちをやればいいし、時間もかかりすぎる。 重要な構文を含む、200語程度の短い文章を集めたような問題集はないものだろうか。









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