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「文系の数学 重要事項完全習得編」を解いてみた その4(数Ⅰ 三角比)

息子に教えるために例題を解いている。
ここでは、指導するにあたって息子に伝えたいと思ったことを覚書的に書き留めておく。

例題18

三角比相互の関係から他の三角比の値を計算する問題。三角比の値が1つ分かれば、他の値も導くことができる。その際、2乗の関係式があるため、ルートして±が出てくることがあるが、θの範囲によって値を特定することを忘れないように。
自分が受験生時代は、tanとcosの関係式は敢えて覚えようとしなかった。sin²+cos²=1の両辺をcos²で割れば導けるからだ。

例題19

(1)は、余弦定理、正弦定理、面積公式をそのまま当てはめれば解ける問題。
内接円の半径の問題は、内接円➡中心と各辺との距離(=中心から各辺に下ろした垂線の長さ)が等しい➡垂線の長さ=半径➡中心と各頂点を結んでできる各三角形の底辺と高さが分かるので面積を求めることができるということから導ける。
(2)は、正弦定理、余弦定理の使い方を考える問題。各定理は何と何の関係を示すものなのかを理解し、解答方針を立てる必要がある。
数式を覚えるというより、解説講義のように、余弦定理は3辺と1つの角との関係を示しているというように日本語で理解すれば、使える知識として頭に入ってくる。
コラムにはヘロンの公式のことが書いてあるが、
覚えていれば便利だか、導けるので強いて覚えなくてもいいという話。
演習15は、面積公式➡2辺とその間の角のsin➡3辺が与えられているが角が分からない➡余弦定理からcosを求めればいいと考えればいい。内接円の半径は、中心と各頂点を結ぶ三角形の高さになっていることから、全体の面積が分かれば求めることができる。面積を求めさせることが誘導になっており、いきなり内接円の半径を聞かれたら、正解率は下がるだろう。

例題20

(1)は、角の二等分線の性質を使って辺長を求め、後は余弦定理を使う。
(2)は、3辺の長さが分かっているので余弦定理から1つの角が分かり、その結果、2辺とその間の角が分かったので、面積公式が使える。角の二等分線の性質からBDの辺長を求め、⊿ABDにおいて余弦定理によりADを求めることもできる。
演習16演習17は類題

例題21

三角形が成立するためには、2辺の長さの和が他の1辺の長さよりも大きいことが必要。本問のように正面切って聞かれれば思いつくだろうが、時々、隠れた条件となってくることがあるので注意。

例題22

正弦定理のもう1つの表現を利用。35年以上前の受験生は忘れていたが、要はsinの比は辺の比になっているということ。比の問題なので、長さは◯kと置く。
演習19は類題。

例題23

ちょっと手こずった。
円に内接する三角形で半径が与えられている➡正弦定理が使えないかと考える。
対角線の長さを求める際、対角線によって分けられた三角形は、対角線を共通の辺にするので、それぞれの三角形につき余弦定理を使ってやれば、等式が導ける。そして、円に内接する四角形の対角の和は180°なので、1つの角をθとおけば、他方の角もθで表すことができる。
演習18(1)は類題だが例題23よりも取り組みやすい。(2)は、辺の長さ=弦の長さが同じなので円周角が等しくなり、対角線が角の二等分線になっていることに気がつけるかどうか。本番で出たとしたら正答率は低かろう。

例題24

(1)(2)は余弦定理と面積公式を当てはめればよい。
(3)は、範囲指定のない入試で出たら、⊿OHAと⊿OHBと⊿OHCが合同➡HA=HB=HCくらいまでは思いつけそうだが、Hが外心と気付き、正弦定理までたどり着ける受験生はどれだけいるだろうか?


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