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指輪物語TRPG 第1章『南方人の策略』第4回

前回に引き続きオリジナルシナリオです。

前回の冒険はこちら

物語

君たちはゴブリンの襲撃に備え、
アーチェト村や小谷村で戦闘訓練を行ない、
塹壕などで守りを固めた。
さらに、ブリー郷やチェトの森を見回り、
ゴブリンの痕跡を探した。
その結果、偵察部隊の痕跡を発見し、奇襲に成功。
反撃の間を与えず全滅させた。
彼らの足跡を辿ると、北の丘陵地帯の中腹に洞窟を発見。
見張りのゴブリンが警戒の声を上げる前に倒す。
いよいよゴブリンの本隊を襲撃する時が来た――

一行は慎重に洞窟の中へ侵入しました。
洞窟内は湿気があるものの、どこかで外に通じているのか、僅かながら空気は動いています。そして洞窟に踏み込んだ一行を最初に襲ったのは、ひどい臭いでした。
ウーナとイムナチャールはこの臭いを知っていました。これはトロルの悪臭です!
しかし、トロルの臭いは最近のものではないようです。トロルがこの洞窟を去ってからずいぶん経つに違いありません。それでも臭いは染みついていたのでした。

カレンはアウストリから受け取ったドワーフ製のランタンで行く先を照らします。
地下仕事に慣れているアウストリが先導し、先へ進みます。
途中、左側に横道が現れました。
一行は横道に逸れ、奥へ進みます。焚火が燃え尽きた後、くすぶった炭の匂いが鼻をつきます。

やがて少し開けたところへ出ました。そこではゴブリンたちが藁や木の葉などを敷き詰めて雑魚寝をしていました。
しかし、火の番をしていた一人のゴブリンが一行の姿を見つけて叫び声を上げます。
寝ていたゴブリンたちは次々と跳び起きて武器を手にします。

横道の先での戦い

一行は次々と矢を放ち槍を投げますが、どれもゴブリンを掠ることなく洞窟の壁に当たって乾いた音を立てます。
唯一起きていたゴブリンはモリエルを狙って矢を放ちますが、モリエルに当たることはありませんでした。

開幕射撃が終わり、次々と接敵していく

モリエルは弓を捨て、長剣を抜き放って見張りのゴブリンに飛びかかります。長身から振り下ろされた長剣は恐ろしい一撃をゴブリンに与え、ゴブリンはばったりと倒れました。
アウストリは「バルク・カザード!」と叫び、敵陣のど真ん中へ突っ込みます。ゴブリンの隊長を狙った斧の一撃は、彼に重傷を与えました。
カレンは皆の心を奮い立たせ、鼓舞します。
イムナチャールはモリエルに的確な指示を飛ばし、ゴブリンの攻撃を逸らさせます。
ウーナは、アウストリが対峙している隊長を大弓で射抜き、倒しました。
ゴブリンの弓兵は凄まじい一矢を放ったウーナを狙うも、動揺のあまり手元が狂います。
もう1人、後ろから射かけてくるゴブリンの矢はイムナチャールの急所を貫きます。しかし、その矢は鎧に阻まれ致命傷を与えることはありませんでした。
さらに別のゴブリンが粗末なナイフでイムナチャールとカレンに襲い掛かります。二人は難なくその攻撃をかわしました。

モリエルはゴブリンの死体を乗り越え、素早い身のこなしで後方で弓を構えているゴブリンに接近し、一撃のもとに斬り伏せます。
アウストリは弓でウーナを狙ったゴブリンに突撃し、長柄斧で負傷させました。
カレンは自分の身を守りながら仲間を鼓舞し続けます。
イムナチャールはモリエルを守るべく、指示を飛ばそうとしますが、せき込んでしまいました。
ウーナは、昔なじみのアウストリと息の合ったコンビネーションでゴブリンに重い矢の一撃を食らわせ、絶命させました。
残った二人のゴブリンはイムナチャールとカレンにナイフで攻撃しますが、簡単に防がれます。

モリエルは、カレンを狙ったゴブリンの背後から剣の一撃を与えます。
アウストリはイムナチャールを攻撃したゴブリンに突っ込み、勢いをのせて長柄斧を振り回します。ゴブリンの首が飛び、首を失くした体は地面に崩れ落ちました。
イムナチャールは目の前のゴブリンが死んだため、カレンとモリエルに挟撃されているゴブリンを横から攻撃します。振り下ろされた斧はゴブリンの頭をかち割りました。

一行は被害を抑えつつゴブリンの一隊を殲滅することができました。
横道はここで行き止まりになっていたため、引き返して奥へ進みます。
やがて左右に道が分かれる分岐点までやってきました。
一行は、今度は隠密行動を取って左に進みます。しかし、鎧がかさばり、音を立てながらの行軍となりました。

通路の先は開けた場所でしたが、先ほどと同じようにゴブリンたちが休んでいました。違うのは、さらに奥へ通路が続いていることです。
見張りのゴブリンは侵入者の鎧の音を聞き取り、寝ている仲間たちを叩き起こします。
すかさずカレンが大弓を引き絞り、見張りのゴブリンを射抜きます。大弓から放たれた矢はゴブリンの体を貫き、警戒の声を上げながらゴブリンは倒れました。
イムナチャール、アウストリがカレンの攻撃に続きますが、失敗に終わります。
ウーナの大弓はゴブリンの頭部を過たず射抜きました。モリエルの放った矢も別のゴブリンに突き刺さります。
モリエルの矢を受けたゴブリンは、悲鳴を上げながらもモリエルに矢を撃ち返します。矢はモリエルに浅く刺さり、軽傷を与えました。
ゴブリンの隊長はイムナチャールに槍を投げつけます。槍はイムナチャールに刺さり、彼は悲鳴を上げました。
別のゴブリンが弓でモリエルを狙います。弓弦の音が洞窟に響き、矢は深々とモリエルに突き刺さりました。モリエルは一瞬ふらつきますが、歯を食いしばって耐えます。
さらに奥からゴブリンが現れ、イムナチャールに矢を放ち、傷を負わせます。

深い傷を負ったモリエルは、心を奮い立たせるため凱歌を歌い始めます。恐怖に満ちた先の冒険を歌ったその歌は、モリエルの心身から疲れを吹き飛ばし、四肢に新たな活力を与えます。
モリエルは朗々と歌いながら、イムナチャールを射かけたゴブリンに長剣を振り下ろし、一撃のもとに斬り捨てました。
アウストリは「バルク・カザード!」と鬨の声を上げます。その場にいたゴブリンたちは思わず怯み、攻撃の手が緩みました。アウストリはそのまま一気に隊長に肉薄し、長柄斧の渾身の一撃で隊長を倒します。
カレンは仲間に声をかけ続け鼓舞します。
イムナチャールは、重傷を負っているモリエルをかばうべくゴブリンの戦術を先読みして伝えようとしますが、気が急くあまり言葉が喉につかえてしまいました。
ウーナは、奥からモリエルに深手を負わせたゴブリンの弓兵を狙い、大弓に矢をつがえます。矢は吸い込まれるようにまっすぐゴブリンに向かい、心臓を打ち破りました。
残った最後のゴブリンは、イムナチャールを攻撃する……かのように見せかけ、イムナチャールが思わず怯んだところで洞窟の奥へ撤退していきました。

にわかに奥の洞窟が騒がしくなります。鎧と武器がこすれる音が響き、ゴブリンの集団が戦いの準備をしている様子が分かります。
ぐずぐずしている時間はないと判断した一行は、挟み討ちを警戒して洞窟の外へ退却することにしました。
洞窟から離れた森の中から様子をうかがっていると、数十体のゴブリンが入口までやってきて、指をさしたり乱暴な言葉を吐き捨てたりしています。しかし、昼間の太陽光を恐れて誰一人洞窟から出てくることはありませんでした。
ゴブリンたちは弓を射かけてきますが、十分に距離を取っていた一行までは届きません。
やがてゴブリンたちは悔し気に洞窟の奥へと下がっていきました。

一行は小休憩を取り応急手当をします。そして心に希望の灯を灯し、ゴブリン狩りを再開します。
再び洞窟に踏み込んだ一行は、伏兵を恐れて最初の左の横道へ行き、ゴブリンが潜んでいないことを確認しました。
一旦戻ってから奥の分岐点まで行くと、左右の道の途中にゴブリンの見張りが1人ずついることを確認しました。

分岐点での攻防

隠密行動は失敗し、洞窟中にゴブリンの警告の声が響き渡ります。
一行はゴブリンの本隊を撃破することはできるのでしょうか。

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