#ようこそ楽園_1.パノラマ御一行様　温泉旅行！

【これは、お伽話感を重視しつつもヒューマンドラマ志向なキラキラヒリヒリ系近未来ＳＦ『砂漠、薔薇、硝子、楽園、　』のお楽しみ回です。《パノラマ》メンバーはマイクロバスで移動しています、設定が夏なのに投稿が真冬という混迷ぶりですが・これはこのニ年間のまとめとも言えるし・未来の日本は温暖化してるのかもしれない、つまり、気にしません、♪どうだっていいぃぃー、水着も浴衣も素晴らしい、密かに次期構想を練っていますが時間がどんどんすぎています、ありがとうございます！、もうちょっとお楽しみ回が続きます　ほか】　本作品の目次・あらすじ・人物紹介ほか各ノートへのリンクはこちら

※マイクロバスの座席の配置↓
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助手席　斉木くん　運転席　《ムームー》ドア　　　　　二人席みんなの荷物
一人席スグル　二人席リュカ
一人席イヅル　二人席ニキ
後部シート　チェン&マスター**********************************
さて、じゃあ車内を覗いてみましょうか…

リュ：（口笛）絶景ねぇ。いーいとこじゃないの。
スグ：ビーチまで送迎バス運行あり、水着のまま移動ＯＫ、５分…各室個室露天付き…サウナは大浴場…今日20時、広間でビンゴ大会…明日20時、海上花火…盛りだくさんだね。
チェ：あ、蛍いるって！　蛍、見に行こう！
マス：３泊４日でもいいくらいだなぁ。
リュ：旅館で連泊は、食事がきついのよぅ。３泊目なんて絶対、「ラーメン食べたい」なんて言ってるに違いないわ。２泊で充分。
スグ：僕は美味しければなんでもいいし、しばらくなら、続いてもいいかな。作らないでいいってだけで十分、非日常を満喫できるし…。
ニキ：ふうん。やっぱり、大変なんだ。
スグ：あ…そういう意味じゃなくて…大変さのほうは、そうでもないよ。君が気にするような大変さじゃない。
ニキ：ふうん…？
スグ：たまには、こういうのもいいっていうことだよ。自分で用意するのに慣れると、日頃は、食事をまるまる買ったりは、できなくてさ。
リュ：へえ…そういうもの？　ホントすっちゃんって、しっかり者よね。アタシなんか、外で食べないとなるとすぐ、プロテインで済ましちゃうのよねぇ。
スグ：誰が作ったかわからないものを毎日、平気で食べるのには、僕は抵抗がある。見知らぬ人の手が入る余地は、少ないほうがいい。まあ、ただの個人的なこだわりというか、生半可な潔癖症だな。料理が趣味だから作ってるわけじゃないだろ。大したものを作るわけじゃないし、揚げ物は後始末が面倒でしないし…。
ニキ：ふうん…？
スグ：君だって作ってくれる。君は、凝ったものを食べたいかもしれないけど…。
ニキ：私は、楽しめればそれでいい。スグルとキッチンに立つのは、とても楽しい。
リュ：あらあら…仲良しなのねぇ。そういえば、アニくんは？　作らないの？　…あら、…聞こえてなかったかしらね…。
スグ：聞こえてるよ。無視して面白がってるか、もしくは、単に無視してるんだと思う。
イヅ：（微笑　※興味なし）
リュ：…？（ヘン顔をしてみる、イヅル：微笑のまま反応なし）…？（奇天烈ポーズ、イヅル：微笑のまま反応なし）…？？　あらら…お茶目さん？　なのね…？
スグ：どうだか。ただまあ、こっちの都合で適当に解釈したほうが、気は楽だよ。こっちがどう思ってても、イヅルは気にしやしないから…。あと、イヅルはオートミールに牛乳をかける以外の食事は作ったことがないし、皿を洗ったことだって一度もない。少なくとも僕が知る限りでは、ね。
イヅ：（微笑　※興味なし）
リュ：…。えぇぇ…？
スグ：騙されちゃダメだ。きっと特に意味もなく、君の小ジワの数を数えてたりするに違いない。そこらへんの花の色や石の模様を見るのと、同じようにね。しかも、普通の人間がじっくり見るよりずっとよく見てて、不思議がるとイヅルはこう言うんだ。「『見て』はいないさ、『見える』んだ」。
リュ：えー…。むしろ、すっちゃんより愛想良さげじゃないの、って思ったけど…中身は、話どおりの不思議ちゃんってわけ？
スグ：そうとも言えるけど…実際のところ、まったき謎、さ。僕の話なんて所詮、僕の理解の範囲での話でしかないからね、合っているとも限らない…。
ニキ：イヅルには、初めて会ったの？
リュ：そうなのよ。初めて見たの。聞いちゃいたけど、そっくりなんだもの。驚いた。
イヅ：（微笑　※興味なし）
リュ：うーん…（矯めつ眇めつ）あ、そう…。というか、四コ上よね？　すっちゃんって、こういう感じに育つのかしらね。すっちゃんって、なんだか…なんていうか、…イイ男なのね…。
イヅ：（微笑　※興味なし）
スグ：まあ、別の人間なわけだから、まさにこう…とはならないだろうけど、数年も経てば僕にだってもう少し、大人らしい色香も…。
ニキ：スグルはスグルのままがいい。
スグ：…憧れてるわけじゃないよ。やっぱり人間、中身だからね。いまだってこんなにニヤついておいて、イヅルのことだから多分、僕たちが理解できるようなことは考えてない。だよね？
イヅ：ん…？　そうだね。少なくとも、僕の好意を感じたくて君たちが僕に対して推測するようなことは、何ひとつ、考えていない。僕の考えていることは、君たちにも理解できなくはない。しかし、理解のためには説明を要する。そして僕には、敢えて説明をしてまで君たちに理解されたい欲求は、ない。
スグ：ほらね。こんなふうなのに何故か、イヅルは好かれる。特に女性に。
イヅ：否定はしない。僕は愛されるのが好きだ。僕を愛するのは、難しいことではない。
チェ：どーれどれー？（いきなりイヅルの席の斜め上からイヅルを上向かせて、ディープキス）…。……。（ぷは）わぉ（イイネ！）、じゃあ哥哥と比べ…
スグ：…ない！　ないよ。巫山戯るのも大概にしてほしい。
チェ：…ると見せかけてニッキーの味を確認しまーす。
スグ：…………！！！
ニキ：…（キョトン）…。…あ、…ぅ…。
スグ：…………。（無言で引き離す）
チェ：二人とも合格〜。これで《パノラマ》の仲間だよ！（イイネ！）
リュ：ニッキー…そうね…。たまーにいるわよね。こういうコ。ね。
ニキ：…リュカも、チェンとキスしたの？
リュ：（ウィンク）こう見えて昔は、ちょっとしたプレイボーイだったのよ。残念だけど、ここじゃこれ以上のことは…。
スグ：（こっちに話題が来ないのは、わざとかな…ハラハラ←）
マス：はいはいはい、君たち。品がないぞー。あと、宿が見えたぞー。
チェ：あー！　あれ、《オジーチャン》のヘリかな？
マス：いや、《カイチョー》は車でくるって言ってたよ。ありゃ、護衛だな。
ニキ：（カバンを覗き込んで）…。
スグ：「ルリ」？
ニキ：寝てる。やっぱり、移動中は通信速度が足りないみたい。
リュ：…？　アタシにも見せて…ま、可愛らしい…ニッキーの着せ替えアプリ？
ニキ：ううん、これは「ルリ」。私の大切な「人」だよ。《ヂェードゥシカ》に会わせてあげたくて、持ち運べるようにしてもらったの。起きたら、紹介する。
リュ：ふうん…あ、そう…（「ルリ」…「ルリ」って、「雨咲ルリ」…？ じゃ、二代目がいるって噂は…あらあら相当、やばい案件じゃない、やぁねぇ…）
マス：んー…ま、しなきゃいけない話は、済んだんだろ？　詮索はやめとこうぜ。
チェ：やめとこうぜ！

（車が止まる）

マス：おぉ、完全なる温泉旅館ですなぁ。じゃ、ここはひとつ、ぱぁーっと休もうか。あー、着いた〜。

…

いやはや、《喫茶パノラマ》の皆さん、ハードボイルド全力投球、お疲れ様でした！　休暇をご用意できるところにたどり着けたのには、実は作者もほっとひと息です。どうぞゆっくり、休んでくださいね。ええ。

さて…このお休み回の、テーマソングはこちら！

休暇を満喫するみんなをながめ、皆さまもどうぞごゆるり、お楽しみください！

こ、こ、で…そう、ご愛読特典ですよね、もちろんですとも…このテーマソングをいっそう楽しむために、ボーナスカットを、お届け！：

・チェックイン待ちのロビーで、海水浴のために持参したマイクロビキニをニキにあてるチェンと、それを見つけて慌てふためくスグル。

・リュカvsチェン、音速の温泉卓球戦！

・個室露天でニキの肩をマッサージしてあげたりしつつ、いちゃいちゃを試みるスグルを、後ろから驚かして面白がるイヅル。

・ニキをちょっと大人にした感じの爽やかかつ艶やかなイメージング、庭園の茶寮で、携帯端末にインストールされた「雨咲ルリ」と静かに会話を楽しむ《ヂェードゥシカ》。

・仲居さんとぺろぺろちゅっちゅしてるところをリュカに見つかって、ナイショ、のポーズをするイヅル。

・宴会場で飲みはしゃぎ、好物を取り合ったり、皿回しをしたり、そんな様子を呆れて見つつ肴にしたりして、楽しく過ごすみんな。

・旅館の前で楽しむ手持ち花火と線香花火。と、それをロビーのカフェスペースから見守る《ヂェードゥシカ》と「ルリ」。

・イヅルの部屋の階のエレベーターホールで、特に会話を交わすでもなく、穏やかに見張り番をする《ムームー》と斉木。

・二人きり、旅館の屋根の上で、月の映る海を見るチェンと《マスター》。

・朝日の障子陰、すやすや眠る裸のスグルと仁綺を眺めながら、縁側で水を飲んでる浴衣姿のイヅル。

…

『楽園』は、長期連載の長編になってしまいました…お読みいただいたかた、たまたまどこかに足をお向けのかた、奇跡の完全読破でお支えくださったかたがた、松尾さん、ありがとうございます、この通り、彼らはみんな、元気です。

考え事をしているとすぐに、時が過ぎます…そんな時にも、彼らがここにいることの、なんという心強さでしょう。

少しばかり、たどたどしくにはなりますが、恒例のお祭りの時間をいただいて、こんにちは世界はまた、（しばらくはひっそりと、）投稿を続けるつもりです。どうぞ、よろしくお願いします。

どうか、彼らの強さと笑顔とが、お読みくださる皆さまの心を明るく、照らしますように！

［next coming…次回からの『ようこそ楽園』は…アニメ版『砂漠、薔薇、硝子、楽園、　』雨咲スグル役の太田千羽弥さん（註：アニメ化は私の妄想です。すなわち、これはフィクションです）をmcにお迎えし、ＣＶゲストとともに作品の魅力を振り返って辿る、スペシャルラジオ番組の開始！　毎回ダミヘコーナーあり♡　耳が♡溺れる♡♡ 快感&爆笑&深淵トークをどうぞ、お楽しみに♡］