懺悔

去る10月9日。
サッカーを中心に回る約18年間の旅路は終わりを迎えた。

Iリーグ第11節。大阪学院大学B。
前節、全勝街道をゆく大阪体育大学Bを相手に3-1で勝利を収めたDチームはの戦績は、8勝1敗1分。
後2節を勝ち抜けば決勝トーナメントに進めることができる3位につけていた。
これを書いている今(11月2日)でも全て思い出すことができる。
試合は怒涛の展開になった。
前半19分に失点。32分に直接フリーキックを決めて追いつく。
前半を1-1で折り返し、迎えた後半。
60分。自陣でのパスを奪った相手が、ハーフライフ付近からスーパーシュート。これを決められて再び劣勢に。
77分にセットプレーから一時同点に追いつくも、84分にまたもやゴラッソ。取っては取られての繰り返し。
しかし、左サイドからあげられたクロスを合わせて92分。3-3の同点までもつれることができた
これでタイムアップかと思った矢先、キックオフ直後に裏に抜け出されて失点。3-4。

この敗戦により、自分たちの旅路は完全に幕を閉じたのであった。

★★★

自分達が振り分けられたAブロックは各大学のBチームが殆どを占めており、決勝トーナメントはおろか、勝ち越すことができれば御の字だった。
この振り分けを見た時、ぶっちゃけ、自分にとってこの1年間はサッカーへの未練を断ち切るための1年だ。
社会人になって、人生の一部として共にしたものと今生のお別れを美しく仕立てるために頑張ろうという気持ちが大きかった。
余生を謳歌しようという気持ちに、どこか似ていたような気もする。

けれど、そんな甘えた考えを捨てなくてはいけなくなってしまった。
それが、同期の存在であった。

こんな所でこういうことを書くのはどうかと思うが、4年間、実力があるのに上のカテゴリーに昇格できなかった奴らだった。
結果を残しても。誰よりも頑張っても。人一倍サッカーに真摯でも。
陽の目を浴びることなく、一番下のチームでのラスト1年。
テキトーに流して終わりの1年。悔いなく怪我無く楽しく終わればよい。
そんな考えでいてもおかしくない。自分がそうだったからだ。

ところがどっこい。自分が共にしたこいつらは、そんなことをミジンコたりとも思っていなかった。

たかが練習のワンシーンなのに、死ぬ気でシュートブロックしに行く奴。
1番体力が無いくせに90分間一生声を出して、ボロボロで毎試合出てる奴。
足攣ってるのに、絶対変えんなと試合中に自分に訴える奴。
試合に出れない時期が長かったのに、泣き言1つも漏らさず、最後は欠かせない選手になった奴。
自分のテキトーな指示や、無茶ぶりに顔をしかめながら、最大限の働きをしてくれる奴ら。

挙げだしたらキリがない。とにかく熱すぎる奴らばかりだった。
4年間、同じ組織に所属していたくせに。
コンダクターという立場のくせに、こいつらのことを何一つ知らなかった。

そんな熱に感化されたのか。
少し頼りないかと心配していた下級生達も、立派に成長してくれた。

こんな奴らがそばにいるのに、自分がこんな腑抜けじゃ申し訳ねぇ。と。
自分ができる精一杯を。何とかしないと。
このチームを少しでも上にしないと。
それが、コンダクターの道を選んだ自分ができる最大限だと気づいた。

★★★

少し脱線するが、自分はコンダクターになったことを心の底から悔いていた時期があった。
チームに貢献しないと。けど、どうやって?
自分にできる事?思っている100倍、何にもないよ。
チームに貢献したって、心の底から言える?
言えるかぁ。練習行って、練習見て、ほんのちょっぴり仕事して終わり。
ん~、自分ってもしかしていらない子?
いらなくはないけど、別にいなくても困らないよ。
でも、休んだら駄目だよね。選手よりきつくないし、時間もあるし。
どんな理由であれ、コンダクターが休んでいいわけないよね?

自己肯定感が最底辺を迎えた自分は、見事練習以外では行動を起こすことができなくなった。
行き帰り練習で大体3時間。それ以外を家でYouTubeを垂れ流しながらベッドで眠る生活になった。本当に。
人に誘われるのも億劫だし、自分から人を誘うなんて、もっての外だった。
同期のコンダクター。お前らマジですげぇよ。
自分にとって、死んでも戻りたくない1年だった。


★★★

そんな中、迎えた4回生。
自分の鬱屈としたもの。ネガティブな感情。自分の中で崩れ切った全て。
そんな煩わしいもの全部。最高のチームがかき消してくれたよ。
そういう意味も込みで、
自分は「人に恵まれた」と言うしかない1年になり、
同時に「申し訳ねぇな」と言うしかない1年になった。
大げさかもしれないけど、自分を救ってくれた恩返しでこの仲間を陽の目が当たる場所に連れていってあげたかった。
どうだ。すごいだろ。って自慢したかった。それができなくて申し訳ない。
それに尽きる。

★★★

最終節の桃山学院大学B戦を勝利を収めて、Dチームは9勝2敗1分の成績を残し、得失点差で3位となり幕を閉じた。
この時期に何でこんなものを書いたのか。
noteを書こうとは決めていたけど、絶対に重たくなることを書くだろうなと渋り続けて今に至るわけで。
この2年間を思い出して、今も泣きながら書いているわけで。

だけど、ほんの少しでも、自分が出会った最高の仲間を。
最低で終わりそうだったサッカー人生を、最高の幕切れにしてくれたことを見てくれた人に

自慢出来たらなと思った次第である。

というわけで、このnoteをもって俺のサッカー人生は終わり!以上!

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