#2[つくったひとの商品解説]作業腰巻編
この記事は、2020年2月にSAGYOメンバーの岩崎が個人アカウントに書いたものを転載しています。
本年は新商品開発よりも、この5年でアップデートし続けた定番品を丁寧に紹介し、私たち自身も「これ、やっぱええよな。」と再確認することを優先すべく、SAGYOマガジンにてつくったひとの商品解説という連載を始めました。
お世話になっております、SAGYOの岩崎です。
つくったひとの商品解説、第二回目は「作業腰巻 ぬくい」を取り上げます。
(第一回は伊達羽織でした。)
今日、ここで腰巻を取り上げた唯一の理由…。
やっと岡山市内に初雪が降臨したから!
とにかく冷えます。岡山冷えてます。
家の中でパソコン作業しているだけで冷えるのに、この時期野外で作業をされる方はより一層冷たい思いをされていることでしょう。
お疲れ様でございます。
では、今回も始めましょうか。
・開発のきっかけ
この商品はSAGYOのラインナップで唯一「自分の体験」から着想して作ったものです。
私(岩崎)は、今も昔もパソコンの前で一日の大半を過ごす職種。
会社員時代はとにかく事務所が寒く、赤ちゃん用毛布(寸法がちょうどいいんです)を服の上から腰巻いてクリップで留めていました。
途中からは、平ゴムでループをつくってボタンで留められるようにしたり、カイロを入れるポケットを付けたり、謎の向上心で完璧なものが作れたのですが、社長の「そのかっこで絶対外出んといてや~」のひとことで家用となってしまいました。
その話を何の気なくいろんなところで話していたのですが、思いがけず「それ、私もやってる」という人達がたくさん現れたのです。
(「僕もやりたいけど恥ずかしくて出来ない」という男性も!)
防寒と暖を得るための巻物がSAGYOに必要なんじゃないかと思った瞬間でした。
・工夫した点
赤ちゃん毛布と同レベル、もしくはそれ以上の暖かさはマストだったので、空気の層が出来るようにウールとフリースの二重仕立てを考えました。
ウールを使うとなるとどうしてもコストが上がる為、最初2年はウールの生地の1/2巾でパターンを作成。それが以下のものです。
全て直線裁ちで取り効率がよく、リーズナブルな価格にすることが出来ました。
が…
お尻が隠れない…
リリース直後の販売会では、本当にたくさんの「待ってました!」の声を頂き、試着自体も順番待ちになるほどだったのですが、
お尻が隠れない…
この一点で諦める方が続出したのです。
価格じゃなかった。お尻だ…!
と真理に気付き、再設計したのがこちら。
表地のウールは横地取りにし、紐を綿の別布にすることでコストを抑えました。(どうしてもコストを抑えたいのが生産管理の性)
機能的にも綿素材の方が縛りやすく緩みにくいのです。
一般的な巻き方で前から後ろに生地を持っていくことも、オンラインストアの着画のように背面から布を持ってきて巻きスカートのように着用することも可能。
前掛けの幅(寸法)が広くなったことで、厚着の上からや恰幅のいい方も使って頂けるようになりました。
その分紐を長くしたので、細身の方は長く垂らすか、もう一周させて後ろで巻くなどのアレンジをお願いします。
・想定される着用シーン
室内での作業や汚れない外作業であれば、もちろんそのまま着用頂いて構いません。
水を使ったり汚れを伴う作業時におすすめしたいのは、雨衣 筒型とのダブル使用です。
筒型は、「女性用のレインコート」として開発したものではありません。
ズボンより着脱がだいぶ楽なのと、下に履くものの自由度が高いという理由で男性の方にも選ばれております。
この雨衣単体でも防寒にはかなりの効果を発揮しますが(なんせ水も風も一切通しませんので)、温かみはありません。
温かみが欲しい場合は、腰巻とのダブル使用が最高なのです。
・最後に
SAGYOの中でも地味な部類ではありますが、マグロ漁船の靴下の次に使用対象者の幅が広い商品です。
先日の販売会でも、素敵なミセスが購入してくれました。
ハイウエストで着けるの、かわいい!と、お客様に気付かされた1枚。
ウールと化繊のハイブリッドということで、洗えないのか…と購入をためらっている貴方。
ネットに入れての「手洗いモード」or「弱水流」で洗えます。
(洗濯実験をして、縮みの少ない生地を選んでいます)
安価で上質なウールメルトンが見切り市場に出てこなくなって早数年。
今年はこの価格で出せるウールが手に入らないかもしれないので、迷っておられる方は思い切ってご購入下さいませ。